おいクソデク、海行くぞ」
「え?! は、はい!」
爆豪は出久の手を掴んで歩き出した。突然の出来事に目を白黒させながら、出久も引っ張られるままに歩くしかない。
「かっちゃん、どうしたの?」
「別に理由なんざねぇよ。ただ海に行きゃあ気分転換になると思っただけだわ」
「そっか…………そうだね、ありがとう」
出久が笑うと、爆豪は何とも言えない顔をして前を向いた。それから何も言わずにズンズン歩いていくものだから、
「ねえ、どこに行くの?」
「黙ってついてこいや」
「うん!」
そうして辿り着いたのは、電車に乗って少し行ったところにあった海水浴場だった。
駅を出てすぐの海なので人も多いのだが、何よりまず目を引くのは砂浜に描かれた巨大な『オールマイト』だ。砂で作られていて本物そっくりだし、なによりその巨大さに出久は息を飲む。
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