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    宮下の落書き帳

    @miyasita_nya

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    宮下の落書き帳

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    Pkgうちのこ百合小説を
    ボイコネ用に台本に改変したもの

    バジル→シルバー
    しぐま→紫昏
    ミネスト→水音だったりする
    Nはナレーションです

    嫌いって言ってくれればシルバー:出会いは必然やら一期一会というけれど、なんなんやろな、ホンマに

    紫昏:初めて見た時に一目惚れしてしまっていた、アバターにも、声にも

    シルバー:あいつとはこのゲームを始めてからしばらくして出会った同じギルドのライバルで

    紫昏:お互いまだ言い出せてはいないけれど、間違いなく両片思いだ、絶対そう(確信)

    シルバー:ムカつくし癪(しゃく)やから好きやなんて言うてやらん、絶対に

    紫昏:あの子は嫌いだと言うから、あたしも嫌いってことにしとく

    シルバー:アイツが嫌いやって言うから、ウチも嫌いで通したる



    紫昏:嫌いって
    シルバー:いってくれれば






    N:某MMO RPG オンラインゲーム
    N:ギルドアットホーム内



    シルバー:テスト勉強でしばらくゲームから遠ざかっとったうちやけど、テスト期間が開けて久しぶりにログインした。とりあえずはギルドの皆に顔だしやな!
    シルバー:久しぶりのゲームにうきうきしながらギルドアットホームへと向かった…向かったんはええんやけど、そこには……アイツがおったんや




    紫昏:「あ、シルバー!久しぶり!」

    シルバー:手をひらひらと振りながらチャイナ服に身を包んだプレイヤーキャラがいた、そうアイツや、うちがいちばんライバル視しとるPC紫昏(しぐれ)
    シルバー:正直に言って今会いたくなかった、せっかく人がルンルン気分でログインしたというのに気分が一気にダダ下がりやわ萎え萎えやわ!!


    N:すると紫昏(しぐれ)のレベルとジョブ名が目に入る、明らかに前見たときと違っていてシルバーは思わず叫んでしまった


    シルバー:「は――――っ??いつの間にジョブ進化したんや…?レベルも上がっとるし、そんなん聞いてないで!?」

    紫昏:「だって言ってないしー??いちいち教える義理もないし!?」

    シルバー:「お前ホンマにムカつくやっちゃなあ!」


    N:紫昏(しぐれ)がわざと煽るように返事をするとシルバーが煽り負けして一触即発状態になり始める、その様子を見ていた同じギルドメンバーの水音(みお)が耐えかねたのかひょっこり出てきてシルバーに耳打ちする


    水音:「シルバーがテスト勉強でログインしてなかった間だよーっ」

    紫昏:「ちょっとー?水音(みお)ちゃん!???」

    シルバー:「あ、水音久しぶりやなー!教えてくれておおきに!
    シルバー:ほーう?はーん?まあええわー!そのうち抜かしたるし!!」

    紫昏:「あー、まあ頑張ってー??無理だと思うけどー?」

    水音:「ああぁぁぁ……ほら紫昏(しぐれ)ちゃんもわざと煽りにいかないのー!
    水音:ふたりともー!ちょっとは仲良くしよーよ?」

    シルバー:「絶対無理やな!なんでコイツと仲良うせなあかんねん!」



    N:勢い余ってアットホームから走って出ていくシルバー


    水音:「あっ?シルバー!!」
    水音:「しーぐーれーちゃん―っ?もう、顔を合わせたらいつもこうなんだからー!!」

    紫昏:「……」

    水音:「ねえ、追わなくていーの??」

    紫昏:「…………」

    水音:「はーもう!仲良くなるまでギルド立ち入り禁止!!」

    紫昏:「……はい?……えっ!??」

    水音:「紫昏(しぐれ)ちゃんのばーか!
    水音:いくらシルバーちゃんが可愛いからって、ダメだよ?
    水音:好きな子には正直に!優しくしなきゃ!ほらほら!いったいった!!」

    紫昏:「は?好き……??あたしは別に!そんなんじゃ……な! ……っ!!」

    0:グイグイと外に押し出され扉が閉まる

    紫昏:「あーもう……水音(みお)っ!?……」

    0:(扉をドンドンと叩く音)


    紫昏:「はあ……(溜息)……あっ、ロック??もう入れないしー!?」
    紫昏:仕方ない、探すか……シルバー……何処にいったんだろう?



    N:無理やりアットホームから押し出され鍵をかけられてしまい
    N:仕方なく紫昏はシルバーを探すことにした
    N:その頃シルバーはというと、お気に入りの川辺ダンジョンに来ていた。




    0:(場面転換 川辺ダンジョン)


    シルバー:「ウチの方がレベル高かったのに……ホンマに……ムカつく……
    シルバー:しかもジョブ進化して見た目も変わっとったし……なんなんホンマ……」


    N:ログイン出来なかったあいだにライバル視している相手に先を越された敗北感、焦燥感、イライラを発散するため、一通りストレスを発散するかのようにエネミーを倒し終わると安全な川辺まで移動して岩に腰を掛けシルバーはひとり愚痴をつぶやいていた


    シルバー:「悔しい……うちも……
    シルバー:うちもジョブ進化クエストいったろかな……」

    紫昏:「なんで?」


    N:ふと呟いた言葉に居るはずのない紫昏の返答が帰ってきた、シルバーは驚いて後ろを振り向くとそこにはやはり紫昏が居た


    シルバー:「な、な、な、な、なな、なな??なー!!なんでおんねん!?」


    N:当然のようにシルバーは驚いて目をぱちくりさせている

    紫昏:「七?」
    紫昏:「だって……!シルバーいきなり走って出ていっちゃうんだもん」

    シルバー:「……?」

    紫昏:「まるで……あたしから逃げるように」

    シルバー:「……っ!?そんなこと……は」


    紫昏:「別にいいよ、シルバーがあたしの事嫌いなのはわかってるし」

    シルバー:「……っ」


    シルバー:いつもやったら、はあ?そうや嫌いや?アンタの顔みたくなかったのにとかって言う、けど何故か……今はそんな雰囲気や無かった。
    シルバー:逃げたのはホンマや、だってウチ……どうしたらええんか分からんかってん、進化して大人びたように見えた紫昏(しぐれ)はウチがいつも見とった、ウチが知っとる紫昏やなかったから……


    紫昏:「……ねえ、シルバー」

    シルバー:「なんや?」

    紫昏:「シルバーはさ、進化、しなくていいよ」

    シルバー:「なんでや?何でそんなことあんたに決められなあかんねん」

    シルバー:俯いたまま、喋る
    シルバー:あんたの顔が見えんように、見てしまったら、いかん様な気がしたからや
    シルバー:幸い紫昏(しぐれ)は近づいてくる様子はなかった

    紫昏:「はは、そうだね、決める権利なんて、あたしにはないか」


    シルバー:…は?なんでそんな悲しそうな声で喋っとんの?


    シルバー:「紫昏(しぐれ)はウチのこと嫌いやんな??」

    紫昏:「…………へ?今、なんて?」

    シルバー:「ウチのこと嫌いやからわざと差ァ付けたりしてウチのこと見返そうとか……わざとらしく煽ったり、してたんやろ?嫌がらせとか散々受けたもんなあ?」
    シルバー:一方的に今まで溜めてた感情が、口から出る、決めつけてお返しと言わんばかりにわざと、煽る

    紫昏:「あー、そう、そうね」

    シルバー:あー、内心否定して欲しかった、けど、な、やっぱそうやろな

    紫昏:「やっぱ……そう、取られるよね」

    シルバー:「??」

    紫昏:「ごめんねシルバー」

    シルバー:「は?」

    紫昏:「勘違いさせちゃったよね、あたしが進化したのはね」

    シルバー:なん……かんちがい?ちょっと待って、やめて

    紫昏:「シルバーの事、強くなって守れるようにだよ」

    シルバー:やめて

    紫昏:「いつも助けて貰ってさ、恩返しというか、あたしも、シルバーの事助けれる様になりたくて」

    シルバー:やめて

    紫昏:「シルバーがいない間にさ、水音(みお)とか桃果(もか)にレベル上げ手伝って貰って」

    シルバー:なんで

    紫昏:「頑張ったの、頑張ったのに、なんで褒めてくれないの、なんで逃げるの??」

    シルバー:「……っ」

    紫昏:「あたし、シルバーの事嫌いじゃないよ、わかってるでしょ?わかってるんだよね?」

    シルバー:や、いやだ、それ以上聞きたくない

    紫昏:「シルバー」

    シルバー:や

    紫昏:「ねえ、こっち見てよ」

    シルバー:紫昏が少しずつ近づいてくる、待って、やめt

    紫昏:「シルバー」
    紫昏:「ね、好きなの」



    シルバー:いっそ、いっそ嫌いっていってくれれば



    0:紫昏、シルバーの手を取り、向き合う。シルバー仕方なく目を合わす



    紫昏:「シルバー」

    シルバー:「ウチは……」

    紫昏:「うん」

    シルバー:「ウチは、嫌いやっ」

    紫昏:「うん、そっか」

    シルバー:「アンタのそう言うとこ……っ、全部っ、全部嫌いや!」

    紫昏:「……ん」

    シルバー:「だい……きらい……やっ」

    紫昏:「……うん」

    シルバー:「アンタなんか……っ、紫昏(しぐれ)なんか!」

    紫昏:「…………っ」

    シルバー:「…………………………すきじゃぼけぇ……!」

    紫昏:「…………!!」

    シルバー:「……っうあ……あ」

    シルバー:涙が止まらなくて泣きじゃくる、そんなウチを
    シルバー:紫昏(しぐれ)は優しく包むように抱きしめてくれた
    シルバー:世界一だいきらいで、だいすきなひと





    紫昏:「シルバーはあまのじゃくだよねー」

    シルバー:「紫昏(しぐれ)もな!」

    紫昏:「でも、あたしも、そういうとこ全部大好きよ」

    シルバー:「あほう……」

    紫昏:「ふふっ、はいはい」

    シルバー:ぽんぽんと、甘やかすように優しく頭を撫でられる、なんなんほんまむかつくくらい優しいん、なんなん……
    シルバー:「ホンマに……なんなん……」






    N:その後ギルドアットホームに戻ったふたりは


    水音:「おめでとーっ!良かったああ……!今日はお祝いだああああ!!」


    N:……とギルドの仲間達にちやほやされお祝いパーティーが開かれましたとさ、おしまい



    0:[完]
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