咲 それは、なんでもない、日常のある日だった。二十人程度の大規模任務の募集が出ていたから習慣的に申し込みをして、事前準備物や現場の規模、想定されるエネミーの数なんかのお知らせが来たのが数日前。そして、今日はその大規模任務の当日である。
大規模任務と言っても、一斉に二十人が同じ場所で戦うわけではない。指揮を執るのが大変になるし、乱戦では味方を傷つけてしまう可能性があるから。たいていは、二人から五人ぐらいずつに分かれて戦場に出る。
そんなわけで、今日私が一緒に戦うのは、みんな別の寮の人たちだった。
「先ほどもあったように、本日こちらのチームのリーダーを務めさせていただくことになりました。クロコディールス・ウィリディス寮四年監督生、アマーリエ・ラニウスと申します」
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