🪦村川🪦
MAIKINGフロ監書きかけ。ラウンジの接客が完璧なフロの話ぱさっと乾いた音を立てて、裏返しになった羊皮紙がテーブルの上に丁寧に置かれる。白い手袋に包まれた指を組んで雇用主(アズール)は言った。
「では、週三回の十七時から二〇時までという雇用契約で。仕事に慣れたとこちらが判断したら時間延長や回数増加、休日のシフトも提案しましょう。一応言っておきますが、学業第一でお願いしますよ」
学園長に睨まれる事態は避けたいですからね、とやや大袈裟なジェスチャーで頭(かぶり)を振るアズール。対面に座った監督生は、知らず詰めていた息をゆっくりと吐いて「努力します」と笑った。これで面接は終了のようだ。
学園生活にも慣れ、勉学に必要な文字を習得しこの世界の基礎知識も段々と身につけ始めた監督生は、次のステップへ歩を進めようと動いた。すなわちアルバイトである。生活に必要なものは学園長(クロウリー)に援助してもらっているとはいえ、それを遊びや、自分やグリムの好きなものに費やすのは憚られた。であれば自分の手で、魔法が使えなくともできるアルバイトを、と探した結果、事情の説明の必要もなく学園の敷地内で移動が容易く人手も足りないモストロ・ラウン 1413