habanero_max
MOURNING昔書いた別作品のお気に入りのお話。夢女子さん向けですが塩辛い中身。相手はソル、で妄想……。
入り口から6番目彼岸にはまだ早い今日に訪れた墓地は、この時期には相応しくないと思う程冷たい風が吹いていた。そのくせ、じっとしていれば鬱陶しく感じてしまう太陽がいる。
彼の為に持参したものはなにもない。
私にとっての弔いは、そういったものではない。というより、そもそもここには”誰も入っていない”のだから、花を手向けようが、線香を立てようが、手を合わせようが、無人ならば意味がない。
でも心の中で常に語りかけ続けるのはとてもじゃないが疲れてしまう。何かに向かってでないと精神が持たなかった。それなのにその対象を自ら処分してしまった事に後から気づいて、仕方なくここに来た。
せめて形だけでもという親族の意向で建てられた彼のお墓を初めて前にして感じたのは虚しさだけだった。今私のしている全ての事に後悔する時が、この瞬間のようにいつか来るのかもしれない。
1032彼の為に持参したものはなにもない。
私にとっての弔いは、そういったものではない。というより、そもそもここには”誰も入っていない”のだから、花を手向けようが、線香を立てようが、手を合わせようが、無人ならば意味がない。
でも心の中で常に語りかけ続けるのはとてもじゃないが疲れてしまう。何かに向かってでないと精神が持たなかった。それなのにその対象を自ら処分してしまった事に後から気づいて、仕方なくここに来た。
せめて形だけでもという親族の意向で建てられた彼のお墓を初めて前にして感じたのは虚しさだけだった。今私のしている全ての事に後悔する時が、この瞬間のようにいつか来るのかもしれない。