tsubasa_cleumi
DOODLEアス→海→?←クレ。エイプリルフール記念(?)タイトルはSSお題メーカーより。お手当てシリーズ第二段。
君には何も教えない「信じられない! こんな怪我してきて!」
心配を通り越すと彼女は怒るらしい。
「ごめん」と口では謝りながらも、にやける顔を抑えられない。
「ちょっと! 笑ってる場合じゃないわよ! 頭でも打ってたら大変なところだったんだから!」
ひと際大きな声で海が怒った。陣の中で友達が震えている気がする。
怒った時の海は、崖から落っこちるよりもずっと怖い。
「足元が見えなくなるくらい夢中で探し物をしてたなんて。一体何を探してたのよ」
アスコットが、問いに答えることなく顔を伏せたので、海も深く追求することはなかった。
「まったくもう。気を付けてね。あまり心配かけないで」
薬を塗りながら、眉尻を下げた海の顔が目の前に迫る。アスコットは反射的に目をぎゅっとつむった。海の息遣いが顔に触れる。冷静ではいられない。染みる薬の痛みに集中することにする。というか、集中などしなくてもまぶたに塗られた薬は思ったよりも痛んだ。
950心配を通り越すと彼女は怒るらしい。
「ごめん」と口では謝りながらも、にやける顔を抑えられない。
「ちょっと! 笑ってる場合じゃないわよ! 頭でも打ってたら大変なところだったんだから!」
ひと際大きな声で海が怒った。陣の中で友達が震えている気がする。
怒った時の海は、崖から落っこちるよりもずっと怖い。
「足元が見えなくなるくらい夢中で探し物をしてたなんて。一体何を探してたのよ」
アスコットが、問いに答えることなく顔を伏せたので、海も深く追求することはなかった。
「まったくもう。気を付けてね。あまり心配かけないで」
薬を塗りながら、眉尻を下げた海の顔が目の前に迫る。アスコットは反射的に目をぎゅっとつむった。海の息遣いが顔に触れる。冷静ではいられない。染みる薬の痛みに集中することにする。というか、集中などしなくてもまぶたに塗られた薬は思ったよりも痛んだ。