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DONE【甘いモノで満たして】『おかしなはなし、あつめました。 # おかしなアンソロ』寄稿作品。
甘いモノで満たして「ご主人! おはようございます! いい匂いがします!」
鈴を転がすような可愛らしい声とともに、一匹の黒猫がキッチンに飛び込んできた。金色の瞳を輝かせながらクンクンと鼻をうごめかすその姿が、瞬きひとつの間に黒髪の少女へと変貌を遂げる。
彼女はぼくの使い魔、黒猫のククル。人間や動物、魔物、果ては同族である魔法使いからまでも〝月夜の森の大魔法使い〟として畏れられるぼくを、ご主人と呼び慕ってくれる可愛い子だ。
「おはよう、ククル。今日もお寝坊さんだね」
「にゃう……すみません……」
からかいの言葉を投げてみれば、朝が苦手な使い魔は申し訳なさそうに縮こまってしまった。
「ごめんごめん、怒ってないよ。さあ、顔を洗っておいで。ククルの大好きなクッキーを焼いて待っていたんだ」
986鈴を転がすような可愛らしい声とともに、一匹の黒猫がキッチンに飛び込んできた。金色の瞳を輝かせながらクンクンと鼻をうごめかすその姿が、瞬きひとつの間に黒髪の少女へと変貌を遂げる。
彼女はぼくの使い魔、黒猫のククル。人間や動物、魔物、果ては同族である魔法使いからまでも〝月夜の森の大魔法使い〟として畏れられるぼくを、ご主人と呼び慕ってくれる可愛い子だ。
「おはよう、ククル。今日もお寝坊さんだね」
「にゃう……すみません……」
からかいの言葉を投げてみれば、朝が苦手な使い魔は申し訳なさそうに縮こまってしまった。
「ごめんごめん、怒ってないよ。さあ、顔を洗っておいで。ククルの大好きなクッキーを焼いて待っていたんだ」