ナンデ
DOODLE兄ド 出所後同棲世界ガラス玉の価値 炭酸が飲めるようになったのはいつからだったのだろう?少なくとも、両親が生きている時は無理だった。あの事件の前の年、近所の神社のお祭りでビー玉のはいったラムネを父に買ってもらった弟の隣で、母と手を繋ぎながら缶のオレンジジュースを抱きしめていた。
「このびぃ玉どうやって取るのかなあ」
カラコロカラコロ、瓶のビー玉を鳴らす弟が大門には眩しく見えた。弟はいつでも欲しいものを買ってもらう。好きなものをすきって言う。
「堅志郎はいいの、それで?りんご飴買ってあげようか」
母が頭を撫でて、しかめっ面の大門をあやす。大門は首を横にふる。
「ねーっチョコバナナ食べたい!」
弟の、朗らかな声。欲しいものを、欲しいと言う。好きなものを好きだと言う、素直な声。
4129「このびぃ玉どうやって取るのかなあ」
カラコロカラコロ、瓶のビー玉を鳴らす弟が大門には眩しく見えた。弟はいつでも欲しいものを買ってもらう。好きなものをすきって言う。
「堅志郎はいいの、それで?りんご飴買ってあげようか」
母が頭を撫でて、しかめっ面の大門をあやす。大門は首を横にふる。
「ねーっチョコバナナ食べたい!」
弟の、朗らかな声。欲しいものを、欲しいと言う。好きなものを好きだと言う、素直な声。