@tekit0un
PAST2010年 左伏不機嫌に見えるように「せんぱいって、僕の事好きなんですかあ?」
一年後輩の伏木蔵は、単刀直入に聞いた。
今は保健委員の当番中、保健室には二人しか居ない。今日は珍しくけが人も病人も無く、そのひと言まで部屋はしんと静まり返っていた。
「何言ってんだお前」
薬草の本を読んでいた顔を上げて、左近は不愉快そうに、後ろに居る後輩を振り返った。
「なんで僕がお前を好きにならなきゃいけないんだよ!」
「だって」
伏木蔵は、手に持っていた饅頭を頬張りながら、じゃあなんでこんなに美味しいお饅頭くれるんですかあ、と言った。
それは、さっき部屋に入って来た時「もらいもんであまったんだ」と言って、渡してくれたものだった。近くの町で流行っている店のものだという事は、つつみ紙を見てすぐわかる。
3069一年後輩の伏木蔵は、単刀直入に聞いた。
今は保健委員の当番中、保健室には二人しか居ない。今日は珍しくけが人も病人も無く、そのひと言まで部屋はしんと静まり返っていた。
「何言ってんだお前」
薬草の本を読んでいた顔を上げて、左近は不愉快そうに、後ろに居る後輩を振り返った。
「なんで僕がお前を好きにならなきゃいけないんだよ!」
「だって」
伏木蔵は、手に持っていた饅頭を頬張りながら、じゃあなんでこんなに美味しいお饅頭くれるんですかあ、と言った。
それは、さっき部屋に入って来た時「もらいもんであまったんだ」と言って、渡してくれたものだった。近くの町で流行っている店のものだという事は、つつみ紙を見てすぐわかる。