sirome0_0
MOURNINGただ、ひとり旅の予定がズレた日に思いついた話ひとり旅出かけようと思った。大切だと思っていた人を忘れるために。唐突に選んだ意味のない季節をぱっと指さして気づく。
本当に偶然、でもそれは必然のように意味のある季節であるように思える。
それくらい、大切な日だった。その日は、君と出会った季節だったから。
君の口にしていた名前の場所、多くの時間君が過ごしたらしい場所。全部見て回りたかった。
君がいたことを、どうしても感じたかった。
それだけで良かった、それだけで。
きっと、私は前へ進める。
初めての土地は、冷たくてつんと鼻の奥が痛くなるような空気をしていた。
秋、という季節がそうさせていたのかもしれないけど。
「さむ。」
小さく呟いて、歩を進める。
右も左も知らない景色が広がる世界へ。
319本当に偶然、でもそれは必然のように意味のある季節であるように思える。
それくらい、大切な日だった。その日は、君と出会った季節だったから。
君の口にしていた名前の場所、多くの時間君が過ごしたらしい場所。全部見て回りたかった。
君がいたことを、どうしても感じたかった。
それだけで良かった、それだけで。
きっと、私は前へ進める。
初めての土地は、冷たくてつんと鼻の奥が痛くなるような空気をしていた。
秋、という季節がそうさせていたのかもしれないけど。
「さむ。」
小さく呟いて、歩を進める。
右も左も知らない景色が広がる世界へ。