かもめ
DOODLE過去作。20200525【呪】棘+釘が自撮りする 最初は意外だと思った。狗巻棘の話だ。
釘崎野薔薇から見た彼の第一印象は“淡白なひと”だった。術式の都合で語彙を絞っている上に、表情の変化も少ない。仲間想いの性格だということはその先の付き合いで重々承知することになったが、それでも、不便な生活を自らに強いている「呪術師らしい術師」だと思っていた。
だから、何かを形に残そうという想いを彼が持つことが意外だったのだ。
寮の外壁に沿った花壇に植えてあるゼラニウムが花をつけた。
毎朝棘が水をやっている様子には、野薔薇も気がついていた。少しづつ蕾が大きくなっていっていることも。細やかな世話が必要な園芸は野薔薇の関心を惹く趣味ではないが、それでも視界の端にちらちらと紅やピンクの花弁が揺れると心にも彩りが出た。自らも花の名を冠しているのだから、尚更だ。
3049釘崎野薔薇から見た彼の第一印象は“淡白なひと”だった。術式の都合で語彙を絞っている上に、表情の変化も少ない。仲間想いの性格だということはその先の付き合いで重々承知することになったが、それでも、不便な生活を自らに強いている「呪術師らしい術師」だと思っていた。
だから、何かを形に残そうという想いを彼が持つことが意外だったのだ。
寮の外壁に沿った花壇に植えてあるゼラニウムが花をつけた。
毎朝棘が水をやっている様子には、野薔薇も気がついていた。少しづつ蕾が大きくなっていっていることも。細やかな世話が必要な園芸は野薔薇の関心を惹く趣味ではないが、それでも視界の端にちらちらと紅やピンクの花弁が揺れると心にも彩りが出た。自らも花の名を冠しているのだから、尚更だ。