ナンデ
DOODLE龍司︎︎ ♀ 小話君はここで何も失わない 新しく建てられた総合医療病院の待合室の長椅子で、龍水は座って足を組んでいる。司は何か言いたげにしつつも、自らの仕事の内容を思い出して口をつぐみ、長椅子には座らず龍水の隣に立ち続けた。
「フゥン?座らないのか。立っていられるほうが俺としては居心地が悪いのだがな」
「仕事だからね。座っていたらとっさの時に反応が遅れる」
「そもそも病院内で何が起こる?この地区でたった一つの総合病院、ここを襲撃することの重みは、旧世界のそれとは比べ物にならないと馬鹿でも分かるだろう」
「まだそんな馬鹿は復活していないとでも?」
「違うと言いたげな顔だ」
ヴ、ンとクーラーが動き出す音がする。龍水が出資したこの病院には冷暖房はもちろんのこと、まだまだ一般普及に至らない電気設備や医療設備がわんさか置かれている。おかげで患者たちから「ここに来ると旧時代に帰れたようで懐かしくなる」と口々に言われ、郷愁にかられた人々が病気でなくとも訪れることが増えたため、急遽カフェの設立を決めたところだ。
2162「フゥン?座らないのか。立っていられるほうが俺としては居心地が悪いのだがな」
「仕事だからね。座っていたらとっさの時に反応が遅れる」
「そもそも病院内で何が起こる?この地区でたった一つの総合病院、ここを襲撃することの重みは、旧世界のそれとは比べ物にならないと馬鹿でも分かるだろう」
「まだそんな馬鹿は復活していないとでも?」
「違うと言いたげな顔だ」
ヴ、ンとクーラーが動き出す音がする。龍水が出資したこの病院には冷暖房はもちろんのこと、まだまだ一般普及に至らない電気設備や医療設備がわんさか置かれている。おかげで患者たちから「ここに来ると旧時代に帰れたようで懐かしくなる」と口々に言われ、郷愁にかられた人々が病気でなくとも訪れることが増えたため、急遽カフェの設立を決めたところだ。