ADDICTION「なあ、陽。俺のこと、好き?」
覗き込む黒曜の瞳。聞き飽きた問い。
決まってんだろ。大嫌いだよ。
いつものように拒絶を口にする。
……新は?
同じ問いに返ってくるのは、同じ拒絶。
「俺も、陽が、大嫌い」
幸せそうに微笑みながら紡がれる言葉につい、この嘘つきめ、と苦笑を漏らせば。
「嘘つきは、お互い様だろ?」
憎まれ口を叩く唇を、綺麗な指でそっと塞がれた。
ああ、そうだったな。俺も立派な嘘つきだ。
だってもう、俺たちはこんなにも――
I am addicted to you.
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