「よォ、お坊っちゃん。それ退かすの、手伝うぜ?」
『な…!助力をくれるのは結構だが、成り損ない (冒険者でも傭兵でもない人を馬鹿にする時にそう呼ぶ)に手伝ってもらおうなどとは思っていない』
「……。成り損ないねぇ。元は傭兵だったんだぜ。まァ今や、ンな肩書きも捨てちまったがな」
『ならば口出しは無用。この大岩は、ただの街道を塞ぐものでは無い。神の思し召しなのだ、リーグネル様 (第二王子)に神のお告げがあったのだ!』
「…窮屈な程に胡散臭ェな。オレは神なんぞ信じた事ァねェから、イマイチな…テメェはどう思う」
「…神は尊ぶものです…ですが尊ぶ意志を…押し付ける神は…どこにも…おりません…神は…ただそこに 〈在る〉のです…」
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