【#rstmワンドロワンライ】絵本「では教員室に行ってくるので、二人は少し待っていてください」
「行ってらっしゃい、フィリップ」
「ジャック、頼んだぞ」
「おう」
任せておけという意志表示がてらにひらひらと手を振って見せると、黒縁眼鏡の向こうでステイルが満足気に目を細めた。それからプライドに向けて小さく頭を下げると、彼はすたすたと扉の向こうへ去って行く。
ステイルの姿がすっかり見えなくなるのを見送ると、隣に立つプライドがくるりとアーサーに向き直った。
「じゃあ一緒に待っていましょうか」
にこりと微笑むプライド。真正面から愛らしい笑顔を受けて、いまだにまったく慣れる気がしない。弾けそうになる鼓動を必死で押さえながら、アーサーはこくりと深く頷いた。
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