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    肝が冷える思い

    思い出さなければそんなこと無かったも同然

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    肝が冷える思い

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    普通に寒暖差にキレてるからおっちょこちょいの泣いてる令和ちゃんネタに昇華してるなんも悪くない作家ブロックしちまった 天災が人の怒りに耳を傾けるわけないだろ

    ##mol

    夢みたいだ。
    ヒーローと並んで歩いている。
    「ん?オレの顔に何かついてますか?」
    「あ、いや、ええと……まさかこうして、一緒に歩く日が来るとは思わなかったので、嬉しくて」
    じろじと見てすみません。謝ると、ヒーローは太陽のような笑顔で溌剌と笑った。
    「ありがとう!いくらでも見てください!」
    「いくらでも見るのは危ないと思いますけど……」
    足下気をつけてください、と、更に隣の志献官が続けた。俺よりまだずっと幼い、おっとりした印象の少年にしっかりと忠告され、暗に浮かれていることを指摘されたようで恥ずかしくなる。
    そうだ。今日の俺は守られる側じゃない。大人として足を引っ張らないようにしなければ。

    引きこもりのお前が珍しいな、とからかわれたのが記憶に新しい。
    自分でもびっくりしてるよ。この俺がボランティアに志願するだなんて。
    学生時代、舎密の成績はお世辞にもいいとは言えなかったし、取り柄といえば体力くらいしかない俺がどうして採用されたのかも未だにわかってない。それだけ人手が足りないってことなんだろうが……。
    ただ、自分の目で確かめられるんだったら確かめてみたかったし、歩いて見たかった。
    結界の外の景色を。

    鎌倉を抜けて、それからどれくらい歩いた?
    体力が取り柄だなんて嘘だ。しんどい。休みたい。ゼェハァと息を上げているのはまわりで俺くらいだ。恥ずかしい。
    「大丈夫?俺がおぶっていきましょうか?」
    息ひとつ乱れていない安酸くんが俺に手を差し伸べる。その手を取りたいところを、年上のプライドで踏み止まる。大丈夫のひとことも言えないのが情けないが。
    「もうすぐなので一緒に頑張りましょう!えい、えい、おー!」
    安酸くんは元気に手を振り上げて鼻歌を歌い始めた。俺を勇気づけてくれているのだろうが、眩しくていたたまれない。そういえば志献官は賦活処置のおかげで体が丈夫なんだっけ。どうりで元気が有り余ってるわけだ。
    あ……もしかして俺が一般人公募枠だから志献官が付き添ってくれてるのか?
    だとしたらラッキーだ、と口角をつり上げる。我ながら現金なやつだと自嘲するが、優越感で少し、体が軽くなった。

    「う、わぁ……」
    横浜。みなとみらい。夢にまで見た景色に喉が震える。
    引率の志献官の点呼が聞こえるまで、俺はしばらく呆けていた。ここは俺の故郷でもあるからだ。
    俺が選ばれたのはこの土地に馴染みがあるからかもしれない。無惨に朽ちているこの大地では、土地勘もクソもないけど。
    すうはぁと息を吸って、吐いて、朽ちたビルの群れを見上げる。晴天

    小休憩を設けてくれるのはありがたい。
    視界の端に鍛炭くんが見えた。腰を下ろして取り出したのは……スケッチブック?
    「あの、おれに何か……?」
    ぼうっと見ていると目が合った。
    「鍛炭くんは荷物多かったのに、疲れてないのかなって」
    実際、鍛炭くんは軽装の安酸くんや他の志献官と比べてやけに大荷物だった。
    鍛炭くんのバックパックからちらりと見えたのは、画材?
    「いえ、むしろこれを楽しみに来ていたので」
    遊びに来た訳じゃないのはわかってますけど、と微笑む鍛炭くんは年相応に幼く見えた。
    「楽しみって、ここの絵を描くのが?」
    鍛炭くんが頷く。
    「侵食領域は侵食圧で、水の中にいるみたいに体が重いんです。だから武器以外のものは持ってこれなくて……画材を持ってここに来るのはこれが初めてです」
    おれも


    ああ、俺本当に役立たずだったな。横浜に来たい俺の代わりなんていくら
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