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    kyk_kokage

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    kyk_kokage

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    ロア+ロミ。
    人を選ぶ話?かな?と思います。ロミンちゃんが取り乱します。
    書きながら、私は霧島ロアを聖母だとでも思っているのか?と自問自答したけど、まぁ思っていますね。なんなら聖母だともくそ野郎だとも悪魔だともヒーローだとも思っています。なんかそういうの全部詰め込んだのがロア様なんだろうな、と。こうやって書き綴っていくことで、ロア様というキャラクターに向き合うのが、めっちゃ楽しいです。

    #霧島ロア
    kirishimaRoa
    #霧島ロミン
    romineKirishima

    月齢―――――――――――――――――――
     体調悪くて行けない ごめん
    ―――――――――――――――――――

    メッセージツールのロアロミングループに、そんな素っ気ないメッセージが入ったのは、ロミン以外のメンバーがちょうど揃った頃だった。

    そのありふれた文面にロアが違和感を持ったのは、ほとんど直感だった。
    誰だって体調を崩すことはある。もちろんロミンも例外ではなく、まずまず健康で、時折り人並みに調子を崩した。
    だから、これといって騒ぎ立てる理由もないのだが……なぜかロアは、すぐに駆けつけてやらなければならないような気がして、月太とウシロウを解散させると、ロミンの家に向かった。

    まぁ、違和感なんてなくても、ロアはロミンのところに行っただろう。
    ロアもロミンも両親が共働きであまり家におらず、何かあればまずお互いで助け合うようにと言い聞かされてきたし、そうでなくても可愛いいとこだ。同い年なのに妹のようで、できる限り大切にしてあげたい。

    お互いの家には自由に入れるようになっている。勝手知ったるいとこの家。ロアは声もかけずに玄関扉を開けた。
    中は薄暗く、しんと静まりかえっていた。

    廊下を進み、ロミンの部屋の前で立ち止まる。さすがにそこではノックをして声をかけた。

    「ロミン。オレ様」

    数秒待っても返答はない。

    「ロミン? 開けるよ」

    そっとドアを開く。

    まず、目に飛び込んだのは、ベッドの上のこんもりとした、まる。
    丸くなった掛け布団。おそらく、中にはロミンがいる。

    比較的寝相のいいいとこが、こんな顔も出さずに布団にくるまっているのは、やっぱ何か、いつもと違う。
    それから、ドアを開けた時に気付いた、微かな匂い。
    そして、いつの日かの保健の授業が、頭の中を駆けていった。

    「ロミン」

    できる限りの優しい声音で、ロアはいとこの名前を呼んだ。
    驚かせないようにそっとベッドに腰掛けて、まるを撫でる。

    「ご飯、食べた? もしおなかが痛いなら、何か食べてからお薬飲もうか。何か食べたいものはある?」

    そう、優しく声をかけていたら、急にまるが弾けて、中から鮮やかなピンクが飛びだした。

    「分かったふうなことを言わないで!」

    叫びながらロミンは、小さな拳でロアの胸を叩いたが、それはあまりにも弱々しくて、ロアはちっとも痛くなかった。

    「男のロアには何にも分かんないくせに! こんな、こんなのがこれから毎月……! べとべとして気持ち悪い、おなか痛い、だるい……気持ち悪い、きもちわるい……!!」

    ロミンはそのままずるずると、ロアに縋るように泣き出してしまった。
    ロアは、その背中を撫でながら、

    「そうだね、何にも分かんないよ。オレ様、オトコノコだからね」

    ごめんね、と呟く。

    その痛みを共有してあげられなくてごめんね。
    分かってあげられたら、君は少しは楽になれるだろうに。
    可愛い可愛いいとこの為に何だってしてあげたいのに、ロアがロミンにしてあげられるのはほんの小さなことだけだ。

    ロアの言葉を聞いて、ロミンの嗚咽が止まった。
    顔を上げて、ロアをにらむ。

    よくロミンは、ファンのお姫様たちやクラスメイトなんかに、クールだとか、ミステリアスだとか言われているらしいけれど、ロアにしてみれば、ロミンほど表情がくるくる変わって、心情の分かりやすい子はいない。

    今だって目まぐるしくその表情は変わって、ロミンが考えていることを教えてくれる。
    ロアの聞き分けの良さにさらに苛立って、でもロアを見てすんでのところで思いなおす。ロアは自分を心配してくれているのに、優しく受け止めてくれているのに。でもすぐに苛立ちがおさまるわけでもなく、でも気付いてしまったからにはもうぶつけることもできない。
    そんな感情に挟まれているであろうロミンは、目を伏せて、小さな声で、絞り出すように、ごめん……と呟いた。

    ロアはそんなロミンの頭を撫で、頬をつたう涙を指で優しくぬぐう。

    時々この可愛いいとこを、何の不安もない、何も怖いもののない優しい空間に閉じ込めておきたくなるけれど、今のロアにそんな力はなく、そしてこの子もそれを望みはしないだろう。

    「さぁ、何が食べたい? オレ様、久しぶりに腕を振るっちゃおうかな」

    ロアはせいいっぱい優しく微笑みかけた。
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    kyk_kokage

    DOODLE遊+ロア。ボカロの炉心融解を久し振りに聴いて、勢いで書いた話。
    でもほとんど「君の首を絞める夢を見た」ぐらいしか拾ってないです。歌詞を掘り下げたり、深く考えるとか全然してない。思いついたとこだけ書き散らした短いやつです。

    遊我くんとロア様の、片や選ばれ、片や選ばれなかったという関係性(?)が好きです。
    今は友だちとして仲良くしてるけど、友だちとして好きになる前に、色々ありすぎたよね……
    夢を見る人遊我ちゃんの首を絞める夢を見たよ。

    そう告げたら、どんな顔をするだろうか。
    熱心にロードを製作する遊我をぼんやりと眺めながら、ロアはそんなことを考える。

    驚くだろうか。
    呆れるだろうか。
    笑うだろうか。
    困るだろうか。
    ……怖がって、引きつった表情を見せてくれないだろうか。

    ロード製作に夢中になってる今は、そんなことを言っても聞き流されてしまうのは想像に難くない。

    いっそ、正夢にしてやろうか。

    ロアがそんな物騒なことを考えていることなど何も知らない遊我は、ロードから目を離すことなく手を動かし続けている。

    器用に動く遊我の手元を目で追いながら、遊我があの時あの場所にいなければ、セブンスロード・マジシャンを受け取ったのは自分だったんだろうか、などと益体もないことを考える。
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    kyk_kokage

    DONEロア+ロミ。
    人を選ぶ話?かな?と思います。ロミンちゃんが取り乱します。
    書きながら、私は霧島ロアを聖母だとでも思っているのか?と自問自答したけど、まぁ思っていますね。なんなら聖母だともくそ野郎だとも悪魔だともヒーローだとも思っています。なんかそういうの全部詰め込んだのがロア様なんだろうな、と。こうやって書き綴っていくことで、ロア様というキャラクターに向き合うのが、めっちゃ楽しいです。
    月齢―――――――――――――――――――
     体調悪くて行けない ごめん
    ―――――――――――――――――――

    メッセージツールのロアロミングループに、そんな素っ気ないメッセージが入ったのは、ロミン以外のメンバーがちょうど揃った頃だった。

    そのありふれた文面にロアが違和感を持ったのは、ほとんど直感だった。
    誰だって体調を崩すことはある。もちろんロミンも例外ではなく、まずまず健康で、時折り人並みに調子を崩した。
    だから、これといって騒ぎ立てる理由もないのだが……なぜかロアは、すぐに駆けつけてやらなければならないような気がして、月太とウシロウを解散させると、ロミンの家に向かった。

    まぁ、違和感なんてなくても、ロアはロミンのところに行っただろう。
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    dhastarflower

    DONE腐ッチギレ!某ギャタ🟡🟤小説後半です!総じて…ゲロ甘ですwww私の中の🟡🟤馴れ初めここで完結です!!何卒〜!
    🟡🟤後編※※※

    御用改めもといブッコミはそれほど大したものではなかった。長州の奴らがまた怪しい動きをしているのではないかと見廻り兼店側への忠告みたいなものだ。藤堂の旦那はそれぞれ分けた組が出来得るだけの仕事を割り振った、オイラ達の担当分はなんとまだお天道さんが高ぇ位置ですべて片付けてしまった。なんなら今までのブッコミで一番早い。理由はわかりきっている、カチコミもなけりゃ大した成果がなかったのもあるが本当ただクソ真面目に新選組の仕事しただけだ。なんでぇオイラ達ちゃんとすりゃなんて優秀じゃねぇかと思えば、今迄はなんだったんだと藤堂の旦那のげんこつをまた貰いそうだ。
    いつもボウと組めば、やれ腹減ったあれ食べたい、オイラもたばこ吸いてぇ酒飲みてぇと寄り道が多けりゃ道中の無駄話も多いのだが今日はそんなこと一切ねぇ。あの夜の気まずさからボウとは必要最低限の会話だけしかしていない。ボウもひたすら真面目に任務をこなし終われば黙ってオイラの後ろを少し離れてついてくる。オイラも道中話す内容が出てこねぇもんだから移動中とんでもなく居心地悪くてはやく次のブッコミ先にと早足になりゃ…こうなるわな。
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