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    高間晴

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    高間晴

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    敦太800字。よくある三択。

    ##文スト
    #BSD
    #敦太
    dunta

    よくある三択、実質一択「敦君、ご飯にする? お風呂にする? それともわ・た・し?」
     残業でへとへとに疲れて帰ってきた敦。それを出迎えた太宰は、どこから調達したのかフリフリの白いエプロンを身に着けていた。
     さすがに裸エプロンではなかったが、敦はとりあえず太宰を抱きしめる。そして思い切り深呼吸してから、台所へ向かう。
    「……うわ」
     台所は想像以上に荒れていた。まな板は真っ二つになっているし、鍋は焦げ付いている。その上小麦粉があたり一面に散らばっている。粉塵爆発の実験でもしたんだろうか。
    「何を作ろうとしたんですか」
    「えーとね、コロッケ?」
     小首を傾げてそう云うものだから、敦はめまいがしてきた。
     太宰は敦の手を引いた。
    「でもお風呂はちゃんと沸いてるよ?」
     云われて敦は浴室へと向かう。そこには冷たい水の張られた浴槽があった。
    「……あ、スイッチ押し忘れてた」
     その一言に敦はどっと疲れが出て、居間へ行くと畳の上に転がった。もう一刻も早く休みたいところである。
    「――で、太宰さんはなんでそんな格好なんですか」
    「敦君が喜ぶかと思って」
     顎の下に拳を持ってきてかわいこぶる太宰は、ポケットから携帯を取り出した。画面をこちらに向けると、はっとして敦は飛び起きた。そこに映るのは癖っ毛のショートヘアで裸エプロンの女性が前かがみになっていた。たわわな胸の谷間が見えている。
    「これ、私にそっくりだよね」
    「なんっ……なんで」
     それは敦が自分の携帯で見ていた動画に間違いなかった。
     なんでバレてるんだ。敦が金魚のごとく口をぱくぱくさせていると、太宰は携帯をいじり始める。
    「いや~、前に携帯どっか忘れちゃったから、敦君の借りて国木田君に連絡取ったときあったでしょ? あのときついでに見ちゃったんだよね。タイトルで検索したらすぐ出てきた」
     事もなげに云いながら太宰は敦に向かって微笑む。
    「――ってわけで、私にする?」
     その問いに、敦は土下座して「お願いします」と云う他なかった。
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    高間晴

    DONEモさんの好きな場所「海と雪原」を踏まえて、チェズモクが雪原の夜明けを見に行く話。
    巷で流行りの「おじさんが〇〇だった頃の話」構文が使いたかった。
    ■夜明けを見に行こう


     とある冬の夜更けに、二人で温かいカフェオレが飲みたいと意気投合した。ベッドから二人抜け出すと、寝間着のままでキッチンの明かりをつける。
    「……そういえば、前にあなた『ヴィンウェイにいたことがある』というようなことを言っていましたよね」
     コーヒーを淹れながらチェズレイが訊ねた。モクマはコンロから温め終えた牛乳の小鍋を下ろしながら「えー、そうだっけ?」と答え、火を止める。チェズレイはおそろいのマグカップにコーヒーを注ぎ分け、差し出される温かい牛乳の鍋を受け取る。その表面に膜が張っていないのは、二人で暮らすようになってからモクマが気をつけ始めたおかげ。モクマひとりで飲む分には膜が張っていても気にしないが、神経質なチェズレイはそれを嫌うためだ。
     チェズレイはモクマの記憶の引き出しを開けようと、言葉を続ける。
    「ほら、ここで暮らしはじめて間もない頃ですよ。ボスにヴィンウェイ名物を送るためにスーパーに行った日」
    「……んー? ……あ! あの燻製サーモンとナッツ送った、あの時の」
    「そうそう、その時です」
     チェズレイは鍋からコーヒーの入ったマグカップに牛乳を注ぎ、黄 3173