届く、思い。「あ”~~ねみぃいいい…」
教室の席に座るラギーの背後から声が聞こえる。
わざわざ振り向かなくても、それが彼の恋人、エースのものであることはすぐにわかった。
「お疲れ」
エースの隣に座るデュースが労いの言葉をかける。
「まーじーで疲れた…今日はお茶会ないしオレもうこのまま帰って寝ても許されるんじゃない?」
エースの声は明らかに疲れを含んでいるとラギーは思った。
「当番でもあったんスかね?でもエース君はそういうの要領よくこなしていそうだしなぁ…」
午後一番の授業が始まるまでまだ少し時間はある。
ラギーは再びエースとデュースの会話に聞き耳を立てた。
「今日のエースは災難続きだったからわからなくもないが…こんなの寮長に聞かれたら叱られるぞ」
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