無題「食事に いかないか」
今日の試合も勝てなかった。とは言え、一部隊壊滅、漁夫からうまく距離を取り、戦況を見ながら動いての3位。
まだ試合を始めたてのテジュンにとっては充実した気分を味わっていた。
「よくやったな!お前確実に上達してるよ」
ずっとデュオを組んでくれているオクタンも背中を叩いて労う。
その勢いのまま、テジュンは思い切って誘ってみたのだった。
一瞬動きが止まったオクタンだったが、試合中とは違った優しい声音で
「いいぜ」
と笑った。
いつも羽織っているコートを仕舞い、僅かしかない私物の中で一番くたびれていないジャケットと、普段は滅多に見ない鏡をしっかり見ながら何度も歯磨きと洗顔と、髭剃りをして慣れないヘアセットもした。
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