吸血鬼の坂田と、人間の高杉の高校生パロ(高銀)「坂田くん。三日も休んでるね」
「体調不良だっけ?風邪?」
「本当は、失恋したショックで寝込んでるらしいよ」
「えー、うそー」
「坂田ってそんな繊細な男だっけ?」
「でも休む前からちょっと体調悪そうだったよね」
「一週間前にモブ子が坂田に告白されたんだって」
「でもモブ子って、確か高杉くんのことが……」
「高杉くんはヤバいって」
「えー、でも顔かっこいいじゃん」
「こないだ見ちゃったんだよね、腕にさ、凄いたくさんの切り傷の跡があるの」
「それってもしかして、リストカットってこと?」
「分かんないけど……」
放課後。そんな口性のないクラスメイトたちの戯言を背に、高杉は帰り支度を調えるとひとりで教室を出た。
築30年以上の古いアパートの錆び付いた階段を上がる。
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