ニ徹と癒しのバニーさん「えっと、私がこの衣装に着替えたら本当に元気になるんですか?」
真っ昼間にも関わらず、カーテンを閉めきった寝室は今日の天気が曇りだということもあり薄暗い。
夫婦共用のキングサイズベットの角に座った梓は夫の零から渡された衣装を手に取り、まじまじと見つめていた。
「うん。それを君が着てくれたら二重の意味でも元気になるから」
別の意味でも元気っていきなり下ネタだろうか。
うーっと小さく唸った梓は自分の真横に座る零の横顔を見るが、相変わらず老若男女を虜にするような麗しのご尊顔でつまり顔が良い。
ただ普段と違うことがあるとしたならば彼の青灰色の瞳の下にくっきりとした酷い隈が存在していることぐらい。
三時間前に夫が帰宅した時には今の状態に加えて顔色まで悪かったのだが二時間程、仮眠したお陰で顔色だけは復活しており肌艶もさほど悪くない様だ。
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