非時香果(ときじくのかくのこのみ)/(8)【黑限】 小黒と無限はいつも通り5時に起きて、素読と軽い手合わせをこなす。とっくに金属製と水属性の術を使えるようになった無限に毎日新しい課題を出して、鍛錬する。毎朝の朝食の時間は8時だ。7時半頃に部屋へ戻ると、好きな時間に起きればいいと伝えてあった小白が、寝ぼけた顔でパジャマ姿のままリビングへ出てくる。
「早(はよ)。早飯(あさめし)なにがいい? ルームサービス頼むけど 」
「なんでもいいよ、ありがと。着替えてくる」
今日は、小白のリクエストで風息公園へ行く。身支度と食事を終えて、ホテルを出たのは10時に近い。小白と無限が手を繋ぎ、半歩後ろを小黒が歩く。
「師父さんと手繋げるとか思わなかったな。私はいい思い出って感じだけど、なんかごめんね」
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