お前なんて嫌い お前の全部全部が俺のものだったらよかったのに。でもそんなことは叶わないから、せめてずっとそばに。友達として隣に居させてよ。
とか言うと思った?なんて。
「俺たち卒業しても一緒にいそうだよね」
「気に食わないけど、そんな気がする。」
「お酒飲めるようになったらさ、2人で飲みに行ってどっちがお酒強いか勝負しようよ。」
回りクドい謳い文句で俺のそばにいてほしいことを示唆してみるけど、絶対に俺は卒業したらお前となんか虚しさが勝って話せないし。絶対にお前は意外と淡白だから俺なんて気にならないだろうし。
なんて切ない恋なんだろう。気持ち悪い。
「デュースはさ、どんなコと付き合うんだろうね?」
聞きたくもないくせに僅かな可能性に期待してしまう俺は多分世界一馬鹿だ。
「そうだな…一緒にいて楽なヤツとか?僕は多分、鬱陶しい子は苦手だし…」
「それってさぁ、俺みたいなコじゃん。」
冗談に本気を乗せて賭けてみる。世界一馬鹿だからダサいなんて気にしない。
「あぁ、確かにお前みたいな子だったら…ちょっと面倒くさいけど楽かもしれないな。」
綺麗に生え揃った眉毛をハの字にさせて、俺の好きじゃない方の笑い方で笑うお前はちょっと嫌いだけど、好きだなぁなんて思っちゃった。絶対にお前は俺の方がいいのに。どうせお前は違う奴のモノになっちゃうんだ。
「ふーん。まぁぶっちゃけ俺が女の子だったら可愛いだろうし、お前もたぶん秒で好きになるだろうね。」
「いや…それはないだろう。」
「いーや、好きになってるね。オッパイとかくっつけたら秒よ、秒。」
「…ぉ、ッパイ!?逆に鬱陶しくて無理かもしれない」
あー、つまんね。
叶うはずがない片想いって死ぬほどつまらない。何でこんなにも時間を無駄にできるんだろう。時間は有限なのに。コイツを好きになっちゃったせいだ。
「…黙って俺を好きになってろよ」
「え?」
「なんでもないよ。お前が都合のいいヤツだったらよかったのになって思ったの。」
「…?どういう意味だ?」
「しらねー」
寝て起きたら俺はただの男で、男なんか好きじゃなくて、フツーの片思いをしてればいいのに。お前になんか、出会いたくなかったよ。