夏の日 オレ、なんか、変だ。
そう思ったのは、いつだったんだろう。
部活の終わり、更衣室でのどうでもいい会話の時? その時なに、話してたっけ。月バスの特集記事のことだったか、昨日のテレビのお笑い番組のことだったか。
そのあとの、なんとなく一緒になった帰り道の時だっけ?
笑っている三井サンの顔が妙にまぶしくて、胸がぎゅっとなって、心臓がバクバクして。
――あれ?
って思ったのが最初だった。
それから何度も、もしかしたらいつも、三井サンの笑顔を見ると胸がぎゅっとして、バクバクして、なんだかムカついた。オレ以外にもそんな顔向けるんじゃないって思って。
あれ? なんでオレ、三井サンを独り占めしたいの?
気がついたら、三井サンのそばで、内心首をかしげてばっかいるオレがいて。
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