その熱が伝わらないうちにまだ冷め切らない夏を感じる秋の始まり。いつもと同じ昼下がり。雲ひとつない澄み切った空の下で、2人は昼寝をしていた。ことの発端は、フェリシアーノの提案だった。
「ルート、またクマできてるよ?ちゃんと寝てる?」
ふと顔を覗き込んできたかと思えば、我が恋人はある種失礼と取られるであろうことを問いかけてきた。とはいえ、彼の場合は本気で心配しているのだからタチが悪い。このクマを作る羽目になった理由はお前だというのに。
「そうだな、最近は日付を超えてから寝ているからそうなっていても仕方ないだろう」
「えーっ、ダメだよ!ちゃんと寝なきゃ」
だから、お前が余計なことをするせいで俺がいつも尻拭いをして……。なんて、到底この顔を前に言えるわけもない。
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