おやすみレイブンクロー「エバレット」
「……んん?どうしたの」
とある日の晩、消灯時間を過ぎた後の出来事だった。
消灯時間を過ぎた、とはいえさすがは知識のレイブンクロー、他のルームメイトは寝る前にもベッドで読書や書き物をしている。
嫌だなあこいつら、きっと墓に入る寸前まで勉強してるんじゃないか。
僕は本当に賢いから、明日を健やかに過ごすため夜更かしなんてしないけど!
なんとなくいい塩梅の体勢が見つからずもぞもぞ寝返りを打ちながらそんなことを考える。
しかし静まり返った暗闇に響く本のページを捲る音、紙の上を小刻みに走り回るペンの音、寝しなには雑音にも取れそうだがこれが中々心地のよいもので、すぐにうとうととし始めた。
そんな時、二段ベットの下から転入生が尋ねてきたのだ。
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