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    (傭泥)大佐と伝達は少女漫画みたいな展開似合いそう~て思いながら書いたふわっふわ走り書き小説もどき。両片思いになる。

    market休日、普段の布量が多い服と違いシンプルな私服を見に纏い、伝達は食材の買い出しの為に朝の過ぎたマーケットを歩いていた。片手に先ほど買った紙袋を抱えて更に目的のものを買うために、並んだ屋台を横目に流していく。
    今日は夕方から裁判官のジョゼフと書記官のヘレナとのディナーの予定があった。日々忙しく仕事の場でしか顔を合わせない三人だが、そんな日々の疲れを労うため、月に一度食事会を行っていた。その日が今日であり、今日は伝達者であるピアソンが食事を振る舞う日だった。他の二人が料理をする訳ではないので作ろうとするのはピアソンだけなのだが、二人はその料理を認めているようで伝達者の番になるとその手料理を求めた。
    求められるのであれば腕によりをかけるしかない、3ヶ月に一度の手の込んだ料理のために買い物にも力が入る。
    ふと意識が泳いだ瞬間、無理やり腕を引かれて動きを止められた。
    道の途中で後ろを振り返り止めた複数の相手を見やる。どこかで見た顔だ、確かいつかの裁判で。すっと逃げ道を確認すれば穏便に済ませればいいのだがと明るめに声をかけた。
    「何か私にご用でも?」
    「っお前のせいだ!」
    おっと、小さく困惑した表情を浮かべながらもこれは穏便には済まないだろうと心の中で舌打ちを打つ。
    「相手が嘘を言っていたにも関わらず、アイツが真実だと無理やりねじ曲げやがった!」
    「…一体何の事でしょう。私は彼の真実を証明しただけですが」
    「どうせ金でも積まれて勝たせたんだろ?クソ野郎め!!」
    間違っていないがまともに会話も出来ないのか、と呆れながら目の前に飛んでくる拳をぼうっと眺めてみた。避けてもいいが傷が着けば哀れみを増して嘘の役にたつだろう。
    一瞬痛いだけだ、反射に目を瞑るも痛みどころか体に何かが当たる様子もない。開けた瞬間に殴られるのは嫌だなと恐る恐る目を開ければ此方を庇うように青年が前に立ち、対立していた人間の拳を止めていた。
    「な、なんだテメェ」
    「喧嘩にしては複数人で囲って情けないもんだな」
    「んだと!」
    「ま、まて、コイツ、軍人だ」
    確かに体格が良い。腕まくりから見える肌には傷口が見えて戦場に立つ人間だと解った。流石に間が悪いのを理解したのか、すぐに野良犬のように尻尾を撒いて逃げ出すと、目の前の相手はくるりと此方へ向かい合った。
    「大丈夫か?」
    「あ、ああ…大丈夫、です。助かりました。」
    にこり、愛想を浮かべる。正直軍人とは此方もあまり関わるべきではない。礼だけ言ってさっさと立ち去ってもらおう、と思考していれば少しだけ視線が上の彼と目があった。
    「ん、怪我が無くて何より」
    「はわ」
    よくよく見れば造形が整っている。体に不似合いのベビーフェイスが爽やかな笑みを浮かべて労るように肩をぽんぽんとされて変な声が出た。顔が整ってるのはジョゼフで見慣れている筈だというのに、それだけではないのだが、少しずつ心臓の動きが早くなるのを感じた。
    「あ、有難うございます、そ、それでは私はこれで」
    「待って」
    この場から逃げ出したい気持ちで会話を切り上げようとしたが、目の前の青年に止められてしまう。ぽけっとする頭で見返せば、相手は少し困ったような顔を浮かべながら頬をかく。
    「あー…1人だと、またさっきの奴らに絡まれるかも知れないだろ?危ないから、貴方の買い物が終わるまで着いて行ってもいいか?」
    「そ、そんな、ぐ軍人さんにお手数お掛けするのは」
    「俺がやりたいことだから。駄目、かな」
    捨てられた子犬のような雰囲気が醸し出され、普段全くもった覚えのない庇護欲が滲み出る。戦場に居たというにも関わらず、澄んだ瞳で此方を写すものだから、なんとか顔を頷かせて「迷惑じゃないのであれば」と一言付け加えると、その顔に喜びが浮かび上がった。
    「え、あ、ちょっと」
    「ほら、行こう!」
    「ま、待って、に、荷物」
    自然に抱えていた荷物を取られ、右手を絡め取られ目を丸くした。重いだろ?これくらい手伝わせて、なんて好意を全面に出されてしまえば返せなんてことも言えない。
    (何時もなら、自分の物を盗られたと思ってしまうから嫌なのに)
    彼は大丈夫、大丈夫であって欲しいと考えてしまう。自分の心境を不思議に思いつつ、恐る恐る引かれた右手と繋がる左手を握り返せば、高い体温が移るのを感じた。






    この国にも神がいるというなら、今この時あなたを讃えます。あぁハレルヤ!
    ちらり、と隣を盗み見すれば手を繋いでいるからなのか、少し照れくさそうにしながらも目的のものを探す彼が映る。折角のオフだから家に籠ろうかと思っていたが、何の気なしにマーケットを見に来て正解だった。その上彼に声をかける事まで出来てしまい、こうして買い物を共にすることも出来た。端から見たらもう恋人同士だ。やはり神は居た。
    「え、っと、軍人さんは」
    「あ、ナワーブ·サベダー。俺の名前ね。ナワーブでいいよ」
    「……は……は!?その名、た、大佐じゃないですか!」
    びくっとして驚き此方を見る彼は小動物を感じさせられる。あぁ可愛い。流石に名前を聞くと俺の事が分かったようで後退ろうとするものの、繋いだ手を少し力を込めるとピタッと動きを止めた。
    「た、大佐」
    「ナワーブって呼んでよ」
    「恐れ多いんですが!!」
    わたわたと焦る様子は見てて飽きない。俺より少し……本来なら高いであろう彼は左目だけ目を泳がせる。
    「ほら、ナワーブ」
    「な、ナワーブ、大佐、?」
    「大佐は要らないんだけどなぁ」
    じっと目を合わせようとすると観念したかのように「ナワーブ、」と声を絞り出した。それだけで心がそわそわする、もっとその音を紡いで欲しい。何て言えるわけも無いが。
    「貴方の名前は」
    「……く、クリーチャー·ピアソン、です」
    「クリーチャーと呼んでも?」
    「おっお好きに、して下さい」
    彼ことクリーチャーから名前呼びの許可を得れれば、その後買い物を済ませたあとにランチも共にすることが出来た。やはり今日はついている!
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