モブ虎♀からの最強虎♀サンド(NTR)
「ごめん!待った!?」
はぁはぁ、と息を切らして俺の元へ駆け寄ってきたのは付き合い始めて丁度一年目になる、俺の彼女の虎杖悠仁。
「いや、全然待ってないよ」
全力で走ってきたんだろう、息を荒らげ、肩を上下しながらゆっくり呼吸を整えようとしている。心なしか頬も紅潮している。
今は麗らかな天気で、少しばかり暖かさで薄着の人がちらほら見える。
悠仁にとっては少し暑いのか黒のショルダーパッドタンクトップとショートパンツで涼しそうな格好で、俺は七分袖の黒いテーラードジャケットとチノパンで対照的な格好であった。
いつも約束の時間より前に待ち合わせの場所にいるので今回の遅刻は珍しくつい問いかけてしまう。
「珍しいね、遅刻なんて。何かあったの?」
「時間通りに家は出れたんだけど、道中に困っている婆ちゃんがいてさ~、手伝ってたら遅れちゃった。ごめんな、連絡すればよかったよな」
「いいよ、人助けの方が大事だよ。まあ、連絡できそうだったらしてくれたら嬉しいな」
「あんがとぉ~!次は絶対する~!」
申し訳なさそうに何回も頭を下げる悠仁に頭をあげるよう促す。
「ほら、早くしないと予約しているレストランに間に合わなくなっちゃうよ!行こ!」
俺は悠仁の手を取り喧騒の街へ走り出した。
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「いやぁ~~、め~っちゃ美味しかったな!星100!」
「星多すぎない(笑)でもそのくらいの美味しさだったよな~」
予約していたレストランで食事を終え味の感想を話し合って街を歩く。
この後の予定は特に決まってなく街をぶらりと散策しようか、この前あそこにあったグッズ買いに行こうか、それかカラオケで発散する?なんて話し合っていたが悠仁が俺の腕をぎゅっと抱きしめる。俺の腕が悠仁の胸に挟まれてその柔らかさに理性が蒸発しそうになる。
「お、俺から言うのも…あれなんだけどさ…」
「な…なに…?」
悠仁が俺の耳に吐息がかかるほど顔を近づける。
「俺、今日の為に…えっちな♡…下着♡…つけてきたんだけど…見たくない…?」
俺はその言葉を聞いて思わずごくっと喉を鳴らしてしまう。一般男性並みに、いやもしかしたらそれ以上に性欲がある成人男性にそのセリフはヤバすぎる。主に下半身が。
街中で興奮して捕まるわけにはいかない。そう自分を落ち着かせ、平静を装う。
「み、見たいに決まってんじゃん…今すぐ見たい…けど、流石に外じゃやばいから、ホテル行こう」
「う、うん♡」
「確か…あっちにあるはず…行こうか…てか本当は俺が男らしく誘えば良かったな!」
「女の事情とか、俺もあんまり伝えてなかったし…てか俺に気をつかってくれたんだろ…一年も我慢してくれてあんがとな…♡」
街のはずれ、人通りが少なくなっていく道を進んでいく。
悠仁と付き合う前、付き合ってすぐ性行為する人は信じられないと話していたことがあり、信頼を勝ち取るためにキスも性行為も出来るだけ我慢していた。
俺は悠仁の信頼を勝ち取ることが出来たんだ!そう感激していたら前から人がきていたことに気づかずお互いの肩がドンとぶつかってしまう。
「ってぇな…前見て歩けよ」
「す、すんません…」
謝ってぶつかった相手を見ると俺や悠仁よりも頭一個大きく、やけに威圧感のあるお兄さんが二人がいた。
これはもしかして危ない職業の人かもしれない…。出来るだけ穏便に済ませるように再度すんません、と謝る。
「ん~、これはだいじょ~ぶじゃないかもな~。ちょ~腕いてぇし、怪我したかも。いったぁ~い♡」
痛くなさそうな、相手から貰えるだけもらおうとする魂胆見え見えな声で腕の状態を語る。悠仁の前なので男らしく対処したいところだか、如何せん相手は自分より屈強な二人なもので、竦んでしまう。
俺がぶつかった男性は白髪でサングラスをかけており、白Yシャツと黒ストレートパンツと普通の恰好をしているのに、長身で足の長い、モデルのようなスタイルで悠仁よりも小さい俺にとっては理想の姿態といえる。
もう一人の男性は白髪と同様長身ではあるが黒の長髪、柄のシャツとストレートパンツ、胸元や耳には金属のアクセサリーで彩られている。ところどころから刺青が垣間見えることから、平穏無事で終わることが難しいことが理解出来てしまう。