[虎兎]No man is without his faults. 僕は大体、なんでもそこそこ器用にやりこなすほうだ。
自慢というわけではないが能力的に恵まれていると思うし、出来ないことや足りないことがあれば、努力で補うのもあまり苦にならない。
これは、ひとつの目的のためにすべてを集中してきた二十年の間に培われたものかもしれない。
爆弾処理のスキルを身につけるのも、撮影で喜ばれるポーズを研究するのも、寝起きの悪さを早起きでフォローするのも、必要とあらばやってきた。
しかしだ。今僕は自分のふがいなさに打ちのめされていると言ってもいい。
虎徹さんにチャーハンを食べさせようと始まった僕の料理の勉強は、現在停滞中だ。
チャーハンについては、とにかく食べてもらわなくちゃという気持ちで、バタバタと虎徹さんに振る舞うことになった。
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