ばるせろな五七窓は額縁に似ている。切り取られた風景は一瞬、一瞬が続く美しい絵となる。まさに今夜はそのとおりライトアップされた建築物は目が覚めるほどに荘厳でこの街にいる『特別』を感じさせる。
天井まで届く白い窓枠、透明なガラスの向こうに見える姿はまさに美を体現しており、昼間内部から見たその姿も目まぐるしいほどに鮮やかでキレイだったが夜の姿もまた格別、こういった時、完璧な夜に相応しいのは完璧な部屋と完璧なオトコ、であとは完璧に美味を湛えたワインとうつくしい曲線を持つグラスがあればパーフェクト、つまり今夜は、99%パーフェクト、だったのに…!!!!!!!!
その完璧のうちの重要な要素である、完璧なオトコが頭の中がまったくもってダメ!だったので本当に今は、ダメである。
七海は頭を抱えた。
なぜ…
なぜ…
なぜ……!!!!!
世にも完璧な夜景を目の前に握りしめ、美食を肉体にぎっちぎちに詰めてアタマのてっぺんから足の先まで存分に酔って、今ならどんな甘い言葉だってなんだって言えるのに、ああその完璧な背中にしがみついて甘えて鳴いて言えるのに、
おねがい 好きに して♡
とかなんとか。
なのになぜ、なぜなのだ、なぜ、本当に WHY なぜに…
(なぜ私がこんなことを)
(この人に)
(どう考えても身長190越えの心身ちんちん共に完璧な成人男性に対して)
(こんな)
(こんな…)
七海は一度息を吐き、そしてちらと窓の外を見た。
ああ~~~~美しい、バルセロナの夜、
路地にある濡れた空気を吸いながら腕を組んでホテルまで帰った。石畳。指と指も途中で絡み、人気のない影でキスをされた時、五条は七海に耳打ちした。
「帰ったら、壊れるまで抱いてあげる」
とろけるような声で鼓膜まで突き刺さる。シェイクされた感情を隠して「バカ言わないでください」とかなんとか言ったけど暗闇に隠れないほどきっと耳は赤かった。
だって、そうだ。
夕食の際、目の前にずらりとそれはもう美しいタパスが並ぶカウンターで肩を寄せるようにして五条は七海にスマートフォンを見せてきた。
そこには、七海自身と、青や白亜の曲線を持つ美しい建物が映っていた。
「ほんとに綺麗だね」
「建物じゃなくてさぁ」
「オマエ、が♡」
「わかるでしょ?」
「僕ってぇ、七海に夢中なの」
届く吐息は熱かった。
酒も飲んでないくせに。酒も飲んでないくせに。
誰にも見られない一瞬に、尻も触られた。
海老もイカも美味しかったし、ワインも最高だった。
最高にいい気分だった。
隣に座っているオトコは何よりも完璧で、そうして自分をアホほど褒めたたえてくる。
今日見た全てが完璧で、古い茶色の街並みを歩いて抜けた先にある海も良かった。
プラスチックカップに入った白ワインを飲みながら、手をつないで海を見た時、
ああ、自分はこうふくの さなかにいるのだ、と、思った
なのに、
七海はUN〇で五条に負け、ただゲームしてもつまんな~い!と賭けをして見事に負けた。
五条は勝負にべらぼ~に強い。良すぎる眼のせいなのはわかる。わかっている。しかしそれでも、勝負するには負けたくないという負けず嫌いの性格が本当に悪い悪い悪い悪い方向にしか今夜はいってなくて、七海は負けて五条の願いを叶えることになった。
七海は期待にきらめく五条の瞳を見つめ、言う。
請われたとおりに。
薄いセーターをたくしあげて分厚い胸板を全開に晒して
「悟くんはおねむする前に、ママのおっぱい飲みたいですよね?」
五条はきらきらの顔で頷く。
「うんっ♡ぼく三歳だから飲みたいっ!」
「ママのおっぱいだ~いすきっ」
~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!※
三歳はもう乳離れしてるだろうが~~~!!!!!!!!!!!!※
クソ○○○×▽○○◆◆◆×××(聞くに堪えない罵倒)!!!!!!!※
※すべて心の声です
七海は暴れまわりたくなったがぐっとこらえて黙って吸われた。
だって負けた
だって、だって負けたんだ
UN〇に……
さようなら、完璧な夜、、、、、
七海はさとるくん(さんさい)(28歳)におっぱいを吸われながら思う。
私だって本当はそこの完璧な窓で立ちバックされながら額をガラスに押し付けて感じすぎて濡れた視界でぼんやりと美しく輝くアレを見たかった、
世界遺産、サ( 伏 字 )ア…
そして言われたかった。
『見ろよ七海、キレーな景色じゃん。でもさぁ、僕は、オマエのケツの方に夢中だよ。だってオマエの方が綺麗だもん。大好きだよ七海。奥の奥まで愛してやるよ♡』
adiós 完璧な夜
Bienvenido ママだいすき僕ちゃんプレイの夜