大学生にとって夏休み前というのは地獄である。
地獄というのは、長期休暇前のレポートの量が半端ないということだ。
俺、塚本太郎は今大学2年生。
そして夏休み前、恋人の家でひいひい言いながらレポートに明け暮れている。
「ぅぅ"〜〜…」
「…塚本、レポート終わりそうか?」
「ぁ、か、和さん…。っ!ありがとう…ございます、」
この人は橋内和さん。俺の恋人
社会人で俺の通っている大学のOBで、サークルの集まりで偶然知り合った。
和さんは俺にスープを渡してくれた、そして俺の横…いや、もはや真隣、体が触れ合う距離までくっついてレポートを覗く。
「すみません和さん、お家に来てまでこんなこと…」
「いいや、構わない。そのレポート提出期限近いだろう?…それに、それでもいいから来いと言ったのは俺だ」
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