勿忘草80までは若さを保つというサイヤ人の特性は地球人とのハーフである悟飯にも受け継がれ、それどころか90歳を越えても未だに青年の頃の姿のままだ
ただし脳の方には陰りが見えこの所めっきり覚えが悪くなった
『悟飯、昨日の事だが…』
『え?何でしたっけ』
『…いや、良い』
過去に過ごした記憶どころか昨日何を話したかさえ忘却の彼方になりつつある現実が只々、腹立たしかった
それが確実にこの弟子との離別が近付きつつある証であれば尚の事だ
そうして消えゆく悟飯に少しでも俺という証を残したい、そう考え記憶を漁りある事を思い付いた
『勿忘草ですか…ありがとうございますピッコロさん!』
勿忘草の花言葉は私を忘れないでだという
我ながら女々しい考えだと思ったが何かに縋れなければこの遣る瀬無さは最早やり過ごせそうに無かった
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