連盟に仇なす毒蛇は新月の夜に哭く※長の鉄兜入手後のマダラス弟独白
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…ふと自嘲の笑みが浮かぶ。
あの人が守り、残したもの…連盟、に、仇なす「虫」は…結局、己自身だったのかと。
いいや。違う。
己は「蛇」だ。全てを喰い殺し、途方もなく育つ毒蛇。
目を閉じて深く息を吸う。
あの人に会って…そして救われた遠い日から、片時も忘れず脳裏に焼いた文字を、
感傷とよぶにはまばゆい記憶とともに、
引き剥がした。
…。
……。
誰がゆるそうと。
誰が認めようと。
決して己はゆるしはしない。
認めなどするものか。
…たとえ、これが、あの人が待ち望んだ結末だとしても。
自分にとっての
「連盟の長」
は、あの人しかいないのだから。
もはや自らに残った最後の繋がり…
この手で葬った家族との絆…そして呪いの笛を吹き鳴らす。
笛の音は、慟哭、そう呼ぶにはあまりにも軽やかに夜風に溶けて。
毒蛇は、今、新しく生まれた連盟の長のもとへ、確かな殺意を持って駆け出していた。
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連盟の長ヴァルトールイベントの妄想解釈
補足の蛇足長文
連盟の長 ヴァルトール
うっかり公式アートワークで顔、身体部分が空洞になっているのを見てから、身体がない…そうとしか思えなくなってしまった…。
個人的解釈では、狩人様にあった時点でもう肉体は朽ちていて、使命が服着て歩いてる状態。
虫だけでなくたぶん物資的なものが見えてない説を推しています…エレベーターから落ちるのも…見えてないのでは…
(ヴァルトールさん、ちなみに事故だったんですが、エレベーターに無事に乗せて階下まで行って、その後、自分だけエレベーターに乗って上階に戻ったら、階下のエレベーターの穴に落ちて死んでしまいました…)
長の鉄兜を狩人様に渡したことで成仏…というか本当に死ねて、
肉体がある状態、獣喰らいのヴァルトールとして召喚できるようになったのではと思っています…。
マダラスの弟
腑分けシリーズの文を読んだときに感じた違和感…
人の言葉も介さず育った野生児が連盟という組織に加入し続ける理由とはなにか
を考えていました。
結果、自分の中の解釈では、連盟に加入して虫を見たのではなく、
常習的に獣喰らいをした結果、愛する毒蛇たちに虫を見出し…
兄にも虫を見出したのか、毒蛇たちの処遇に対して争いになったのか…すべての家族を手にかけ、ひとりになった。
(マダラスの笛、直下にでてくるのも蛇たちとのただ絆じゃあなく罪と罰の証だとしたら…)
そして双子の兄すら理解してもらえなかった虫、それをヴァルトールさんに出会って、
その存在と、その行為に肯定と理由を与えられたならば、
それは、救い、そう呼べるものであったと思うんです…。
ヴァルトールさんを心酔した結果、連盟員になったけれども、連盟の使命、を理解するには至らなかった。ヴァルトールさんも弟に長の鉄兜は渡せなかったのでしょう…。
それでも禁域の森にいたのは、肉体が朽ちた後もずっとずっと最後までヴァルトールさんの手足として狩人してたから、なのかなあとか妄想してしまいました。(マダラス弟、だいぶ歳いってそうなのもそのせい)
長の鉄兜入手で二度と召喚できなくなる理由がこれしか考えつかなかった…。