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    LEON_OHKA3

    @LEON_OHKA3
    最近マッシュルにハマりました。🪐‪右が好き。

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    LEON_OHKA3

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    オタラン。前回の続き。これで終わりです

    あれから5日が経った
    オーターさんに借りた本を読み終えて2日。いつまでも持っておく訳には行かないと思い、気が進まないがオーターさんに会いに行く事にした。
    「はぁ...どんな顔してあの人に会いに行けばいいんだ。」
    俺は重たい足を動かして、魔法局へと向かった。

    魔法局
    ダメだ。どこ探しても居ない...もう家に帰ったとか...それともいつものバーに居るのか。
    1度戻って日を改めるか。
    「ランスくん」
    「カルドさん」
    聞き覚えのある声に振り返ると、カルドさんが手を振って近付いてきた
    「オーターを探しているのかい」
    「ああ」
    「残念だけど彼は今日休みでね。多分自宅にいると思うよ」
    成程な。それならここに居ないのも納得いく
    「そうか。分かった」
    今日はこの後特に予定も無いし、このままオーターさんの家に向かおう。
    カルドさんにお礼を言おうと顔を上げると、さっきよりも近い距離にカルドさんの顔があった
    「もう気持ちの整理はついたのかな」
    「...」
    あれからも色々と考えているが、これといった答えは出せていなかった。いや、正直言うと答えを出すのが怖かった。
    「ふふ、ほんとに...オーターはこんな可愛い弟子を悩ませるなんて」
    「え、カルド...さん」
    ぐっと近付いてきたカルドさんにそのまま人気のない壁際に追い込まれていた
    逃げ道を塞がれ、カルドさんが俺の顔のすぐ横に手を付いて、そのまま耳元に顔を寄せてきた
    「僕なら君をこんなに悩ませない。ストレートに好きだと、大切にするよと言えるのにね」
    そう言って左耳のピアスをちりんと鳴らす
    「っ...はな、」
    危機感を感じて身動ぎするが、一向に離してくれない。まずい気がする
    「オーターなんかよりも僕にしないかい。僕の方が強いよ」
    「っぅ...や...」
    カルドさんから首元を指でなぞられた。やめろ、触るな。
    そう言いたいのに怖くて声が出ない。
    「なんて、少し君をからかってみたくなったんだ。ごめんね。」
    「...」
    身体が解放されたので、直ぐにこの人から距離を取った。
    本当に苦手だこの人。ここが魔法局じゃなかったら地面に叩きつけているところだ
    「君はもう少し周りから好かれてることを自覚した方がいい。悪い虫が寄ってきちゃうよ」
    「...」
    俺はカルドさんを睨み付けた
    「じゃあね。オーターによろしく」
    「はぁ...」
    なんか疲れたな。なんでいちいち俺に構ってくるんだあの人。
    俺は再度溜息を吐き、魔法局を後にした。

    「あーあ。嫌われちゃったかな。本当はオーターへの忠告の為にしたんだけど。彼には勿体ないなんて、本気で思ってしまったよ。」


    「...本を渡してさっさと帰ろう」
    俺はオーターさんの家の前まで来た。が、しばらくノックをするのを躊躇っていた。
    ここでうだうだしていても仕方がない。意をけしてノックをする。
    「オーターさん、居るか?ランスだ」
    返事がない。どこかに出かけているのか。
    ドアノブに手をかけると、ドアが開いた
    「...また開いてる」
    ドアを開けると、いつものソファーで本を読んでるオーターさんがいた
    「居るなら返事してくれないか」
    文句を言いながらオーターさんの居るソファーに近付いた。
    目の前に立った瞬間本から俺へと視線を向けられた。
    目が合ったのが恥ずかしくて咄嗟に逸らしてしまった。やばい、あからさますぎたか
    「っ...これ、本。ありがとう」
    本を手渡して、そのまま部屋を出ようとした俺を、オーターさんが腕を掴んで引き止めた
    「行くな」
    「えっ」
    そのまま背後から抱きしめられた
    「...」
    「...」
    ど、どういう状況だこれ。そのままオーターさんの顔が肩口に埋まる。心臓が痛い程に跳ねた
    「お前、カルドに何かされたか」
    すんすんと匂いを嗅がれ、息がかかる首元が熱い
    「え、いや...」
    「あいつの匂いがお前からする」
    どんな嗅覚してるんだ。
    と同時に魔法局でカルドさんに会った時のことを思い出し、口元を押さえた
    「...あんたを探して魔法局に行った時に、カルドさんに会ったんだ。少し顔を触られただけで他は」
    「チッ...」
    物凄く低い声で舌打ちが耳元から発せられた。
    オーターさんは更に強く俺を抱きしめた。
    「おい、オーターさん?!」
    顔を向けようにもすぐ近くにオーターさんの顔があるから振り向けない
    「お前は私の弟子だ。カルドの弟子ではない」
    「なに言って...」
    「この前はすまなかった。」
    「...」
    これは...嫉妬している、のか。この人も嫉妬なんてするんだな。割と俺の頭は今冷静だった
    「私は恋というものが未だによく分かっていない。」
    オーターさんはまた俺の肩口に顔を埋めてきた。
    「お前は私にとって必要な存在だ。これはきっと好き...という事なのだろう。」
    「...っ」
    好きという言葉をこの人から直接聞いてしまい、俺の隠していた答えを引き摺り出される。
    まさか本当に...
    「ランス。私の傍に居てくれるか」
    なんて優しい声。先程のオーターさんの言葉が、脳内でこだまする。俺の心臓が異常な程に早く脈打つ。
    「...あ、俺...は」
    なんだ、また俺は言葉に詰まっているのか。
    「恋とはこんなにも制御が出来ないものなんだな」
    ああ、もう認めるしかない。こんなに愛されている。俺はこの人に
    「...」
    「オーターさんからの好意は、その...嬉しく思う。」
    オーターさんは驚いたのか、俺から少し体を離し、向き合う体制に変えられた。
    「ランス...」
    っ...なんだその顔。こんな、優しいオーターさんの顔なんて、見た事がない。
    あまりにも恥ずかしくて、顔を逸らす。ダメだ、顔が熱い。
    「...あれから、ずっと...頭の中はあんたでいっぱいで、」
    「ああ...」
    「まだ良く分からないけど、オーターさんの事...好き。だと思...っ!」
    俺が言い終わる前にその口は塞がれた。
    「ぁっ...オ、タ...さん、んっ」
    なんだ。この前のキスと比べ物にならないほど、気持ちがいい。
    何度も何度も角度を変えてキスをする内に、オーターさんの舌が俺の口に入ってきた。
    「んっ!...ふぅ...ぁ」
    ダメだ。心地が良すぎて頭がふわふわしてきた。
    あまりにも長いキスに、立っているのがつらくなり俺はオーターさんのシャツを握った
    「...っ、ふ...んぁ」
    やっと長いキスから解放されて、酸素を必死に取り込む。
    自分の体を支えることが出来なくて、オーターさんにもたれかかってしまった。
    「...ぁ、オーター、さん」
    オーターさんが頭を撫でてくれた。キスの余韻のせいか、それだけで俺の体はびくりと跳ねる。
    「...恋人になれば、許可は要らないと言われたが、違ったか」
    「そう、かもしれない...けど、」
    何の前兆も無しにやられると心臓がもたない
    「まぁ、お前が気持ち良さそうにしてたから、合っていたのだろう」
    「〜っ!!な、」
    「本心だろう」
    くっ...そ、言い返せない。
    でも、この数分で一気にこの人の色んな表情が見れて、好きだと言われて、嬉しかったのは事実だ。
    キスも...
    「もう少し、このままでもいいか」
    オーターさんに優しく抱きしめられ、頭まで撫でられて、そんな優しい声で言われたら、断れないだろ。
    でも流石に立っているのも辛かった
    「...イス...座りたい」
    オーターさんはすぐ後ろにあった椅子に俺を座らせて、密着するように隣に腰をかけた。
    そのまま俺の左肩に頭を乗せてくる。
    「...」
    ああ、こんな幸せに満たされた時間も悪くないな。

    END




    オマケ
    カルドさんがオーターに説教したところ(会話文のみ)

    「オーター、邪魔するよ」
    「...何の用だ」
    「さっきランスくんに会ったんだけど、君同意も無しにキスしたんだって?」
    「...」
    「はぁ...なんでそんな事しちゃったのかなぁ」
    「...あいつが可愛かったから、勝手に身体が動いた」
    「...もっとマシな言い訳出来ない?」
    「事実を言っただけだ」
    「オーター。彼のこと好きなのかい」
    「...分からない」
    「じゃあなんでランスくんの事凄く気にかけてるの」
    「あいつが近くに居ると目で追ってしまう。触れたいと思うんだ。おかしいだろうこんなの、今まで同じ事が1度だって無いんだからな」
    「君、それだけ本読んでるのにそれがなんて言う感情か分からないのかい」
    「...規律違反か」
    「...」
    「...」
    「とにかく、謝っときなさい。キスするんなら、同意の元やること。恋人同士になるなら別だけどね」
    「恋人...」
    「オーター。君は、ランスくんに恋してるんだよ」
    「...」
    「自覚した?それなら想いは早く告げた方がいいよ。彼、人気者だから。誰かに取られちゃうかも」
    「ランスは俺の弟子だ」
    「そういう事じゃないんだけど...まぁいっか。忠告はしたからね」


    そんなことがありました。
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