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    tsuka_mori

    @tsuka_mori

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    tsuka_mori

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    🔑の独白でいったん浮かんだところまで
    この続き書いてはいるけど詰んでる

    ―――ザザン、ザザァン
    冬の海は波が荒れやすいのか、それとも立ち寄った今日が偶然荒れている日なのか。普段は穏やかに、砂浜へ引き寄せられては沖へと戻っていく波の音が、灯りの差さない真っ暗闇の中に響き渡っている。それは沿岸沿いにずっと先まで伝播し続けており、万次郎の立っている場所からでは終着点が見えない。段々と、果たして自分自身がどこに居るのかが分からなくなり、このまま気を抜くと暗闇へと飲み込まれてしまいそうになるが、少し足をずらすと湿り気の増した砂と靴底の擦れる音や感触が伝わり、どうにかとどまることが出来ている。

    うっとうしい。

    それは、潮風で荒々しく撫でられている己の髪が顔にかかるからなのか。永遠に続く暗闇に囚われそうになるからか。それとも、答えが手中に無く、見出す術も抗う術も何も見つけられない苛立ちからか。
    波打ち際ギリギリまでずかずかと、白い靴が海水の潮や砂浜の泥で汚れるのもお構いなしに近付いていき、海水に向けなんの躊躇いもなく砂を蹴り上げる。それは足元から少しだけ蹴上がったが、すぐにびちゃ、と汚い音をたててまたすぐに足元の砂と同化した。暗闇でよく見えないはずなのだが、まるで見えているかのように万次郎はそれをただ見つめ、そのままどうする訳でもなく、静かにその場に立ち尽くしていた。
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    Replies from the creator

    tsuka_mori

    DONEラジオの牛丼→BoPの独歩歌詞→え、これって銃独じゃん…
    非常に安直な流れなのは自負してるけど、これが私の脳みそなんで…安直なんで…
    深夜の発見時刻が22時を過ぎた頃から、早く帰ることを諦めた。終電までに帰ればもうそれでいい。

    いつも通り外回りを終え会社へ戻った後、自分の報告書や上司や同僚から押し付けられた仕事を片付けていた独歩は、ディスプレイの表示時刻を見てため息交じりにそう思った。どうせ集中が切れたこの状態で仕事を続けたところで、すぐに終わる量でも無い。ちょうど先程まで聞いていたラジオも話題のキリもついたところだ。それならばと続きの作業を諦め、休憩がてらコンビニに向かうことにした独歩は、耳につけていたイヤホンを外し財布とスマホを手に所属部署のフロアを離れた。
    流石にこの時間帯だと廊下で誰ともすれ違うことなく、昼間は多くの人が乗り箱詰めになっているエレベーターも独占状態で乗ることが出来る。普段からこのぐらい人が居なければ、もう少しは気楽に乗れるのになぁ。と思いながら、奇しくも顔見知りになった警備員に会釈しつつ裏口から外へ出ると、昼間の暑さは何処かへ消え去り、代わりに背広越しに冷えた風が衣服の隙間から入ってくるのを感じる。
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