つた激しい衝撃音と共に閃光が走る。巨大な敵から放たれた破壊光線は周囲を焼き尽くした。咄嗟に反応できず、死を覚悟した景和は自分の背中を誰かが突き飛ばしたのを感じた。おかげで何とか生き延びたのだ。すぐ後ろにいたのは、確か道長だったはず。背中に熱を感じていた景和は慌てて後ろを振り返った。
そこには――
「道長さん!」
粉塵の中にうずくまっている人影は、左腕がなかった。あの光線で吹き飛ばされたのか?狼狽し駆け寄った。粉塵で姿が見えないけれどどこか近くで英寿と祢音が何か叫んでいる。
「大丈夫だ。」
唐突に立ち上がった道長は、何事もなかったかのような顔をしている。左腕の、二の腕から先が吹き飛んでいるというのに。
「で、でも、それ・・・」
「あ?問題ねぇよ。」
不意に、腕の切断面からなにかが飛び出してきた。植物の蔦の様な、触手の様な、何本も飛び出したそれは景和が見守る目の前でズルズルと形を変え、絡み合いやがて腕の形に収まった。カタチができた所から色が皮膚の色に変わっていく。ものの数秒で左腕は再生していた。
「なん、で…?それ…」
今見たものが信じられない。今の蔦はまるでそう、ジャマトの――
絶句し立ち尽くす景和に目もくれず、再生した手を数回握りしめた道長は
「よし。」
とだけ呟いて、再び敵に向き直った。