青空を抱く「誕生日?」
聞き間違いかと思って口にして、あまりに懐かしい響きに眉をひそめた。
仙人は不老不死だ。もういつ生まれたのか覚えているような者の方がめずらしい。そのため誕生日などという概念もいつの間にか消え失せていて、誰に言われたわけでもなくそういうものだと理解していた。
「そうだよ~。普賢の誕生日会をやるんだよ。十二仙主催でね」
「暇人か……?」
同期が選出された時点で身近になりすぎた集団ではあるが、それでも地位としてはトップクラスであることは間違いない。間違いないはず、なのだが、ここまで脳天気な会合を企画されてはその考えも疑わざるをえない。
「集団がまとまるには親睦も大切だからね~」
「親睦……」
そもそも、これだけ個性的なメンツで協調性など取れるものなのか?
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