ドタデレラ⑥ たのしいじかんはあっというまにすぎてしまいます。
アカーン
アカーン
おしろに12じをつげるどたまがなりひびきました。
「たいへん!もう12じだわ。それに、はやくねむらないとあしたのDのDほうけんのリアタイにねぼうしていまうわ」
ドタデレラはあわててかえろうとしました。
「おうじさま、とてもたのしかったです。ありがとうございました」
スカートをもちあげてかわいらしくおれいをすると、ドタデレラははしりだしました。はやくかえらないとまほうがとけてしまいます。それに、DのDぼうけんのためにねなければいけません。
「ああ、まってくれ!どたまのうつくしいひと!せめて、おなまえを……!」
ドタデレラとのひとときは、フローラおうじにとっても、とてもたのしくて、なまえをきくのもわすれてしまっていました。
「ああ……はやくかえらないと……クロコダインさんはまだいるかしら……?」
とてもあわてていたドタデレラは、かいだんでどたまをおとしてしまいました。
「あっ……どたまが……!」
しかし、ひろっているじかんはありません。ドタデレラはそのまま、かいだんをかけおりました。
「おじょうさん、いそいで!はやくかえりますよ!」
「はい!クロコダインさん」
ドタデレラはいそいでばしゃにのるとクロコダインはいそいではしりだします。
まおうがかけたまほうがとけていき、ばしゃがくずれはじめましたが、なんとかおやしきにつきました。
ドタデレラのふくもいつものボロボロのふくにかわりました。
ドタデレラはままははとあねたちがかえってくるまえにやねうらべやにもどります。そまつなべっどによこたわりました。
「ああ……ほんとうにゆめのようだったわ……」
とてもすてきなどたまをつけて、きれいなかっこうをして、おうじさまとどたまつきをして……
「どたまのおうじさま……とてもすてきだったわ……」
わかれたばかりなのに、もういちどおうじさまにあいたくてしかたありません。ドタデレラは、フローラおうじにこいをしてしまいした。
「でも、むりだわ……きょうはまほうつかいのまおうさまのおかげでぶとうかいにいけたんだもの……きょうのことはぜんぶゆめだったのよ……」
ドタデレラはじぶんにそういいきかせてねむりにつきました。
つぎのひ、フレイザーこはとてもいらいらしていました。
「なんなんだよお!あの、ぶとうかいのおんな!!ずっとおうじとどたまうちしやがって!!ちょっときれいだからってふざけやがって!!」
あまりにもおこっているので、ほのおがボウボウともえあがって、へやのなかがとてもあつくなっています。
「やめるんじゃ、フレイザーこ。やしきがもえてしまう」
「……………」
ミスこがこくこくとうなずきます。
「うるせええええ!あのおんな!こんどみかけたらただしゃおかねぇ!!」
「ぶっそうなことをいうんじゃない。とりあえずおちつくんじゃ」
ザボみがなんとかフレイザーこをおちつかせようとします。
「しかし、おまえがそんなにおうじがすきだったとはのう……」
「ちがう!!おれはおうじがすきなんじゃねえ!いちばんになるのがすきなんだよおおおおお!!!!」
「おまえ……それはそれでどうなんじゃ……」
フレイザーこのことばにザボみはあきれました。
「まあ……とりあえずおちつくんじゃ……ほんとうにかじになってしまう」
そんなはなしをしているときに、ドタデレラがちょうしょくをもってきました。
「どうしたんですか?フレイザーこおねえさま」
「ああ?おまえにはなしてもわからねぇだろうけど、むしゃくしゃしてるからおしえてやるよ!きのうのぶとうかいで、おうじとずっとどたまつきやってたおんながいたんだよ!」
「そう、なんですか?」
「ああ!ガラスのどたまつけたおんなだったけどよ!ああ、おもいだしただけでムカつく!!」
ドタデレラは「わたしのことだわ」とおもいながら、ちょうしょくをてーぶるのうえにならべました。
ちなみに、ドタデレラはちゃんとDのDぼうけんをリアタイできました。