コリピタ①「意外ですね」
唐突にそう告げられる。いつもは脈絡のない話をする人物ではないのでこちらとしても意外だった。何のことだと問えば俺が今手にしているコーヒーカップに砂糖とミルクを入れなかったことだと言う。
「あなたは甘いものが好きなのかと。ただのイメージですけど」
「それは俺がハンサムだって意味かな。ありがとう」
ピーターは肩を竦めて紅茶を一口飲んだ。否定されなかったことに気をよくして彼を観察する。
「君はシナモンスティックだな。甘い香りなのに、齧るとスパイシーなんだ」
我ながら上手く例えることができ、愉快な気持ちで彼のしかめ面を眺めた。
「コリンズさん」
おっと、反撃がくるかな。内面ではワクワクしながらもクールにブラックコーヒーを飲む。
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