特別な聖夜「大寿くんはさー、サンタとトナカイどっちが好き?」
「あ?」
年の瀬も迫り、立て込む年末行事のせいで忙しい日々が続く中、久しぶりに自宅でゆっくりとした時間を過ごす事ができた中、突然何の前振りもなく三ツ谷が謎の質問を投げかけてきた。
「サンタと、トナカイ」
「……サンタ」
質問の意図が全くわからない。ので、適当に答えた。
「わかったサンタね」
本当になんだかわからないが、妙に満足しているので良かったことにした。
いや、よく無かった。
クリスマス・イヴ当日。今年は良いのか悪いのか、金曜日になっているせいで、経営している飲食店はどこも満席の大盛況だった。当然明日も。明日の夜は毎年の予定があるため、今日のうちに徹底して仕事を終わらせておいた。そのせいで家に着いたのは日付が変わる直前になってしまった。
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