浴衣とスイカ夏の日の夜。
狩猟は昼夜関係なくあるものだが、愛弟子は久しぶりに狩猟をお休みし、自宅で涼んで過ごしていた。
寝転がり、うちわでゆっくりと自身を扇げば、ぬるい風が頬を撫でる。
狩猟の時は気にならない程気を張っていたが、ひとたびこうして気を抜いてしまえば、夏の暑さを嫌でも感じてしまう。
このまま寝てしまおうかと布団替わりの薄布をかけ、まどろむ意識に身を任せようとした時。
「その恰好で寝るのは感心しないな。」
耳元で聞こえた声に、一気に覚醒する。
見上げるとそこには教官の顔があった。
「戸が開けっ放しになってたよ。平和な里だし、暑いのはわかるけど、寝る時は戸締りしようね。」
にっこりと、やんわりと、注意される。
「どうしたんですか、教官?こんな時間に…」
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