【掌編】『四天王』と呼ばれているだけの、赤の他人。『四天王』と世間で呼ばれている、めちゃくちゃ神通力が強いだけの赤の他人4名。
彼らは賞金狩りに狙われるようになった。
賞金狩りの情報を共有するため、4人はLINEグループを作った。
「助けて!! また私狙われた!!」
「おい、寝る前に戸締りしたか?」
「お互い気をつけようぜ……住所とかネットで晒されないようにしろよ…」
「賞金狩りが来ないように、俺が祈っておくぜ!!」
やがて4人は意気投合し、お互いの胸のうちをさらけだせるようになっていった。
「……考えてみたら、なんで俺たちこんなことしてんの? 賞金狩りなんて、その気になればぶちのめせるのに。」
「……うん。実は同じこと思ってた。」
「毎日戸締り、武力は控えろ弁護士について調べろ、もううんざりだよ。」
「っていうか私賞金狩りに殴られたことあるんだけど。勝ったけど。」
「なんでこんな苦労しなきゃいけないんだよ。」
「どうする? 少しは賞金狩りにやり返してもいいよね?」
「っていうか賞金をかけてる人もいるし、私たちをネットでおもちゃにしてる人もいる。そいつらも正直報いを受けてほしいよね。」
4人は話し合い、そして究極のアイデアを思いついた。
「そうだ!! 世界征服しよう!!」