褐色の災難と誘惑「随分と焼けたな」
朝イチの勤務を終え、既に帰宅している二宮に玄関で出迎えられて開口一番に言われる。
「今年一番の暑さの中でプール授業があったんだよ。一気に焼けたから背中とか痛え」
夜になっても昼間の暑さが引かず、熱帯夜確定なので珍しく半袖のTシャツ一枚で二宮の家に来た。
学校終わりに一度家に帰って荷物を置き、少し店の手伝い。終わった後にシャワーを浴びてきたけど歩いているうちに汗ばみ、クーラーの効いた部屋は心地が良い。
「何か飲むか」
「ジンジャーエール」
「わかった」
この家で常備している飲み物と言ったら、ミネラルウォーター、お茶、ジンジャーエールの三択。
二宮はキッチンへと向かい、大きめのグラスを用意すると冷凍庫から氷を取り出しグラスに入れる。それから冷蔵庫からジンジャーエールの瓶を取り出すとグラスに注ぐ。
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