ハッピーバースデーエレイン!!さいご!! いよいよ《旅行チケット》の旅程、最終項目。すなわち、帰宅だ。
ベンウィックに戻った二人を迎えたのは、いきなりの宴会だった。
そこにはかつての仲間も、先日妖精界で会ったばかりのキングとディアンヌの家族までいる。あまりの用意周到ぶりにバンとエレインは大笑いした。
「だって今日はおふくろの誕生日だから」
とランスロットは語る。
「旅程通りにしてくれるかどうかだけ不安だったけどな」
「そこはちゃんとセガレの力作の通りにするぜ♪」
バンはすでに上機嫌で酔っ払っている。彼の息子は「おふくろがいりゃあ大丈夫だと信じてたけど」と頭を振った。
「そうそう、お土産がいっぱいあるの、見て!」
そう言って手渡したのは例の旅日記だ。白紙ですっきりと綺麗だった日記帳はエールラベルやら押し花やらで膨れ上がっている。
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