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    bell39399

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    bell39399

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    イケメン表紙にカッとなってらくがき。
    ふかくかんがえないように。

    #バン
    van
    #ランスロット
    lancelot.

     ランスロットが有名な本の表紙を飾った。あの七つの大罪・強欲の罪バンの息子というだけでも名が知られる要因になるが、それ以上に彼の端正な顔立ちは道ですれ違っただけでも人目を引くのだ。
     有り体に言えばスカウトされ、一度は断ったが乞われ仕方なく受けたのだった。

    「ただイケメンってわけじゃあねぇんだよな〜♫」
     ……と、いうわけでバンは最高にご機嫌に酔っ払っていた。息子が表紙の本を買えるだけ買い漁り、見る人全てに配って歩き、配り終えると自分の分を他人に見せながら酒場を巡っていた。
    「すげぇ頭もキレる! 流石エレインの血筋だぜ、知性と高貴さが滲んでるっつーか。まったくそのへん俺に似なくて良かったわ〜♪」
     もう何度目かわからないくらいに繰り返される息子自慢を、酔客たちは文句も言わず笑顔で聞いてくれている。酔っ払いはお互い様だ。
     だが、そこに「見つけた!」とランスロット本人が乗り込んできた。
    「お〜ランス〜♪ 見ろよマスター、本物はこのすげぇイケメン表紙よりもっと美形だろ〜? これ、俺のムスコな!」
    「いい加減にしろよ親父! そろそろ戻らねぇと母さんが心配するぜ」
    「それはダメだ♫」
     ランスロットの一言は魔法のようにバンを椅子から立たせることに成功し、彼はよろけながら酒代をマスターに渡した。
     バンはランスロットに支えられつつ店を出る。まだまだご機嫌で鼻歌なぞ歌いつつ、酒臭い口で息子の頬にキスをした。
    「もう、恥ずかしいだろ、親父。ガキじゃないんだから……」
     べたべた懐く父親を剥がしながら、ランスロットはこれみよがしにため息をつくが、半ば呆れつつも怒る気にはなれない。いつも嘘のないその愛情は、真っ直ぐに自分に向いているとはっきり感じるからだ。少し、真っ直ぐすぎる気もするけれど。
    「ガキだぜ、ランスロット。お前も、俺も……」
     バンはそんな息子の髪をぐしゃぐしゃに撫でてカカと笑う。
    「エレインから見りゃあな♫」
    「母さんからじゃまぁ……そうか」
    「オウ♫ だからよ、男はずっとガキでいいんだよ♫」
    「それもどうなんだよ……ってうわ、寝るのはよせよ、コラッ! うう、重ぉ……」
     もういっそここで捨てていこうか、と先程まで感じていた愛情を使い切りかけた頃、輝く羽根の妖精姫が、二人を迎えに空から降りてきた。
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