夢見る日「カナタ、どうしたの?みんな、先に行っちゃう…」
「ああ、うん、ごめんミゼラ…」
「カナタ、一体何を見て…ウェディングドレス?」
ショーウィンドウに飾られた純白のウェディングドレスをカナタは見ておりそれをミゼラは同じように見上げた。
「あ、うん…」
「でも、どうしてカナタが?」
「ええっと…、ミゼラに似合うそうだなって思って見てたんだ」
「…私に?」
「うん、真っ白なドレスがきっと似合うし綺麗なんだろうなあって思って」
その時は俺が花婿になりたい、ともカナタに隣にいてほしいとも二人は言えない。だからミゼラは恋する少女らしく笑顔を浮かべる。
「もし…私が結婚式をするときが着て、ウェディングドレスを着るときが来たら…そしたから、カナタが私が着るウェディングドレスを選んでくれる?」
「えっ…お、俺が!?」
「うん」
にこりと笑うミゼラにかぁっとカナタは顔を赤くさせた。
「カナタに選んでほしいの」
ぎゅ、とミゼラはカナタの手を握って笑った。その綺麗な笑顔にカナタはさらに顔を赤く染めた。
「えっと、えっと、えっと、お…お、俺でーー……」
よければと続けようとしたところでヴィシャスの声が聞こえ、カナタに聞こえないようにミゼラは舌打ちをする。
「…ほら、カナタ行きましょう?」
「あ、うん!」
手を繋いで皆の元に走っていく。いつかこの話が夢でなく、現実となる時を願ってーー
-Fin-