箱に閉じ込められたヒュンアバ空色のくるりと巻かれた髪から香る匂いや、意外にほっそりとした腰つきは、オレにとって充分な興奮材料だった。
早くここから脱出する方法を考えなければならないのに、思考が支配しているのは、目の前でオレに絡まるように抱きついている師のことばかりで。
大人二人が折り重なってぎゅうぎゅうに押し込められた箱の中。密着する身体は熱く、お互いの息遣いは荒い。
こんな状況でも愛する人に触れれば身体は正直なもので、自分の意思とは裏腹に欲望がむくむくと頭をもたげてくる。
そんなオレの顕著な屹立に気づかぬふりをしているアバンだが、その顔は明らかに羞恥に染まり、視線を泳がせている。
だめだ、こんな間近でそんな顔をされたら
「擬似セックスみたいだな…?」
そう耳元で囁くと、アバンの身体がびくんと跳ね、オレの身体に巻き付けた脚が小刻みに震えた。
どうやら欲情にかられていたのはオレだけではなかったらしい。
ここは一刻も早く脱出し、哀れな師の身体を慰めてやらねばなるまい。
今度こそオレは全神経を下半身から頭脳へと集中させ、脱出する術を考え抜くのだった。