「熱に茹だる」木陰に縦長の腰掛け「ロハ台」がいつの間にか設置されていた。ちょうどいいと腰を下ろし、涼む。
頼まれた物を買いに出掛け、ギラギラ照り付ける太陽は堪えた。
葉の隙間から日差しがキラキラ光る。遠くから聴こえる蝉の声。そよ風で葉が揺れ 心地よく目を閉じる。
あんなに暑かったのに、木陰はそこまで暑くはなかった。疲れた身体を一旦休ませる。
しばらして、ジャリジャリと近付く足音。
隣に気配を感じた。
目を閉じてでも分かる。
「臭いぞ……………」
「あ?」
煙草の匂いを纏い ひとつ間隔を開けて座るサボり警官。
「せっかく自然を感じているのに台無しでござるよ」
「似合わねぇよ」
きっぱり言い放つ。
「…」
ーかもなー
独り言ちる。
血腥い戦いをして、自然などと…確かに莫迦な事だと思える。
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