あまいあまい海に溺れる「メタ、あまい海があったらどうする?」
オレンジオーシャンの夕陽を見つめながら、カービィが尋ねてきた。
「…は?」
「だってオレンジオーシャン、夕陽が映ってキラキラしてるんだよ?オレンジジュースみたいでしょ?」
1度飲んでみたいんだよな~。でも海だからしょっぱいんだよな~。と、隣でにこにこと楽しそうに呟くカービィについ私も笑顔になってしまう。
「はは、それでは塩レモンならぬ塩オレンジだな。」
「塩レモン!?なにそれ!美味しそう!!塩オレンジも気になるけど……。」
食べ物の話となると普段の会話よりも食い付きが違う、流石カービィだ。
「塩レモンはデザートだけではなく料理にも使われていて美味だぞ。塩オレンジは多分あると思うのだが…。」
私もあちこち行っているとはいえ、知らない事ばかりだがな…とつけ加えて話をすると
「ふぅん………どっちにしても美味しそう…デザートに料理……あぁ!お腹すいてきちゃった!」
カワサキのカフェ、まだやってるかな~。と言いながらカービィは私の手をぎゅっと握りしめ、「もうお腹がすいて我慢の限界!!カフェが閉まっちゃうかもしれないから早く行こうよ!!」といつもの笑顔でぐいぐいと私を引っ張りながらどんどん進んで歩いていく。
「全く…自分がした例え話からお腹が空くとは…君らしいな……。」
「メタだって、デザートのこと気になってるでしょ?おあいこだよ。」
「はは……そうだな。まさか君に言われるとは。」
なにぃー!ひどいよー。とカービィに言われながらオレンジオーシャンを後にする。
海をイメージしたオレンジと塩味に夕陽をイメージした蜂蜜を混ぜたのなら、素敵な甘い蜂蜜オレンジになるな…と思いながら。
(その海になら、2人で溺れてもいいものだな。)